こんばんは、開発組織のマネージャーをしているりょーまです。
最近の目覚ましは娘ののしかかりです。
ハイハイとつかまり立ちを覚えて良い気になっているようです。
悪くないです。
さて、今回はピアコーチングについて書いてみます。
はじめに
リモートワークが普及してきた今日、これまで以上に組織としての繋がりや関わりというものを意識するようになってきました。
リアルでは当たり前のようにあった「通りすがりに話しかける」「気になったらすぐに声を掛ける」
といった自然で敏捷性のあるコミュニケーションが激減し、これまで気付けていたことに気付きづらくなってしまったためです。
また、そもそもマネージャー数名で多数のメンバーを適切に管理することは困難だと(キャパオーバー)感じていたこともあり、抜本的な改革にチャレンジしてみることにしました。
ピアコーチングとは
ピアコーチングとは1on1を始めとしたコーチングやサポートを組織のメンバー同士で行うことです。
一般的にはコーチングはマネージャー(上司):メンバー(部下)間でやることが多いですが、ピアコーチングでは階級や役職は関係ありません。
聴き手と話し手の合意さえ取れれば基本的には組み合わせは自由です。
※ピア = 仲間、同僚
そもそも1on1って?という方はこちら 1on1の7つ道具 - Adwaysエンジニアブログ
なぜ「ピア」なのか
勿論、マネージャーはコーチングをするべきです。
しかし、マネージャー「だけ」がやるべきことなのでしょうか。
改めて冒頭で触れた課題を整理します。
- リモート環境故に気付きの機会が減った
- マネージャーの管理キャパが超えている
言い換えると
気付きの機会を増やし、マネージャーのコストを減らせばいいので
メンバー同士が相互作用的に助けあうピアコーチングはうってつけの施策となります。
どんなメリットがあるの
単純にコーチングをやる人が増える事以外にも、多くのメリットがあります。
マネージャーでは気付けないことに気付ける
長い付き合いになるとどうしても認知バイアス(考えの偏り、当たり前という思い込み)がかかってしまいます。
話し相手を変え、視点を変えることは気づきの幅を増やすとても有効的な手段です。
同僚やマネージャーを2~3名を思い浮かべてみてください。その人達のあなたに対する印象や評価は全く同じでしょうか。
マネージャー相手には言いづらいことも言える
組織設計上どうしても評価はしないといけません。
利害関係が本来吐き出しておくべき考えや気持ちを塞いでしまうこともあるでしょう。
相互作用的な助け合い、支え合いが活発化する
基本的に人は誰かの役に立ちたい生き物です(私見)。
その思いを行動に移す場が少ないだけです。
傾聴やコーチングのスキルがつく
コーチングスキルは実際にコーチングをしないと身につきません。
相手は話を聴いて欲しい、あなたはコーチングの練習が出来る。
WinWinの関係です。
※コーチングやサポートに関心があること前提であり、無理には任せません。
結果、組織としてより強固になる
このように、上手く回りさえすれば組織にとって良いことだらけです。
勿論リスクやデメリットもありますが、今回は触れません。
※言語化はしませんがそれらを加味したフローにしてます
具体的なフロー
0.検証する(本当に必要か)
新たな取り組みなので、そもそもニーズがあるのかを検証しました。
基本的にはプロダクト開発と同じで、小さく始めます。
適性や相性を元にマッチングをし、実際に6件のピアコーチングを実施しました。
その全てで成功と言えるリアクションを貰えました。
本運用を決意。 ※結果が悪かったらここで一旦止める予定でした
1.希望を募る
アンケート形式で誰にどんな話を聴いて欲しいかを聞きます。
ポイントとしては、希望コーチを複数人選んでもらうことです。
理論上、特定人物に依頼が集中してしまい回らなくなる可能性があるからです。
2.マッチング
希望をベースに相性だったり、コーチの負担を加味しつつ割り振りを行います。
マネージャーの匙加減です。
3.実施
実際に1on1を実施してもらいます。
「コーチング」とはいっていますが、雑談でもなんでもありにしています。
雑談自体にも効果があるのと、そこから業務の話に繋がることもあるためです。
まずはメンバー同士の繋がりだったり、話す機会そのものを作ることを重要視し、テーマは不問としてます。
4.アンケート
感想や満足度(相談者)、自己評価(コーチ)を記入してもらいます。
本来の目的である、気付きがあったかどうか、話してみて課題が整理になったかどうかといった効果確認のためです。
どうなったか
現在進行形ですが、検証時と変わらず効果はありそうです。
気付きの機会が増え
メンバー同士が相互作用的に助けあう
この状態は見えてきた。
今後の課題
需要があり、一定の効果も出ているので本格的な運用フェーズに移行していきます。
現在認識している課題は・・・
コーチのコーチング
環境を作って終わりではありません。
話の聴き方やコーチングの考え方を可能な範囲で伝えていこうと思ってます。
スキルを持ったコーチが増えれば増えるほど、気付きの機会も幅も広がり続けます。
施策の運用省力化
MVP(Minimum Viable Product)な状態なので、現状運用コストは無視してます。
継続的な運用を考えると工夫が必要そうです。
現状は私が手動で全体を管理している状態なのでなかなかに非効率です。。
コストコントロール
厳密な制限を設けていないのでコーチ役(マネージャー含む)のコストが無事純増しました!!!
ごめんなさい、ありがとう、ちょっと考えます。
最後に
困ったこと悩むことがあったら、誰かに相談する。
一見とても簡単な行動に見えます。
しかしながら、日々の業務や役割/責任が意図せず障壁となり
話したい時に話したい相手に話せなかったりします。
こんな時、環境(施策)を用意するだけでその行動の難易度がグッと下がることがあります。
そうなるように仕掛けるのがマネジメントの醍醐味であり同時に難しいところでもありますね。
今回の施策はマネジメント「民主化」の動きであり、いわばマネージャーの専売特許を意図的に手放すことにもなります。
仕事を無くすことが仕事ってなんかエモいですね(語彙力)。
さあ仕事を創ろう。
それでは。