ADWAYSで働いた8年間 〜新卒からエンジニアリングマネージャーになるまで〜

こんにちは。

Agency事業 開発部のエンジニアリングマネージャーをしている杉内 志苑です。

今回は、ADWAYSに新卒入社して、8年間働いた人材がどんな経験を積んだのか。
一つのキャリアモデルとして、皆さんの参考となるよう記事にしました。

  • ADWAYSの入社を検討されている方
  • マネジメントラインのキャリアを考えている方
  • ゼネラリストかスペシャリスト、どちらのキャリアを歩むか迷っている方

色んな方の参考になれば良いと思っております。

8年間で担った役割

  • システムエンジニア 5.5年
  • データアナリスト 1年
  • ディレクター 3年
  • ネット広告運用者 0.5年
  • プロジェクトマネージャー 3年
  • エンジニアリングマネージャー 6年

※ 兼務ありでの年数

8年間で得たスキルセット

自身の各専門スキルを自己評価のパラメータで表現しました。

■ 1-10段階 評価

評価の目安

  • 3:品質は問わないが、他の方にリードしてもらわなくても、要望を実現できる。
  • 5:一定の品質を担保し、自力で要望を実現できる。
  • 7:同じ役割の方を取りまとめ、自分の能力だけでリードし、品質を考慮した成果を出せる。

フロントエンド:2
バックエンド:3
インフラ:3
データ分析:3
プロジェクトマネジメント:6
ディレクション(方針から具体に落とし込む部分):5
プロダクトマネジメント(プロダクトの大方針策定):5
ピープルマネジメント:8
複数チームマネジメント:7

新卒入社からこれまでやってきたことを時系列で振り返る

新卒1年目:開発の勉強

入社後の研修が終わり、Railsで社内サービスの開発から業務に入りました。

学生時代は開発をしたことがなかったので、訳もわからない状態でしたが、とりあえずやれることは全て引き受けて開発しました。
半年ほど経った時、新規サービス立ち上げの話があり、規模も大きくなかったため、技術選定、インフラ構成から全て自分で考えて作るという機会を与えてもらえました。

AWSなど触ったことがなかった私は、色んな方にヒアリングすることで、ここでクラウドの知見を得られたことを覚えています。
一年目はサービスに関する色んな開発をこなしたのですが、別軸で勉強の機会も多く取りました。

技術部門全体に対して、毎月、個人で技術勉強会を開催し、毎月何かしらの発表を行なったり、
ADWAYSにある全システムのインフラ構成(クラウド限定)をインフラチームの方とヒアリングする取り組みを行い、ノウハウやAWSの勉強をして、業務に直接関わる開発以外の時間もかなり取らせてもらったのを覚えています。

新卒2年目:業務の幅を広げる

後輩がはいってきたため、自分の開発チームが上司含め3人になりました。

上司は他のPJにも参画していたため、杉内が開発に加え、プロジェクトマネジメントディレクションも行うようになりました。
また、杉内も別PJに参画し、データ分析業務を行いました。

ビックデータを元に、協調フィルタリングを用いたレコメンドエンジンを作成したり、重回帰分析を用いて、広告プラットフォーム事業による効果的な配信方法の分析をしました。
自身の開発業務も多い中、後輩の教育、プロジェクトマネジメントやディレクション、データ分析まで、色んな分野に携わらせてもらい、アウトプットを出していた記憶があります。

新卒3年目:チームのマネージャーに

3年目の4月から1チームのエンジニアリングマネージャー(ユニットマネージャー)に昇格しました。

役割としては、マネジメントに注力はせず、引き続き開発に注力しつつ、ディレクションを行っておりました。(がっつりプレイングマネージャー)
更に、3年目では、より価値の高い機能を提案するために、ユーザーの業務を実際に体験し、ディレクション能力を上げる取り組みを行いました。

具体的には、半年間ネット広告運用者の役割を兼務しながら、開発・ディレクション・PjMを行いました。
この取り組みが自分のキャリアにとても大きな影響を与えたことを覚えています。

ユーザーの課題感やシステムによる価値貢献を身をもって体感することで、提案レベルがグッと上がりました。

コスト(時間)はかかりますが、ユーザーの役割を体感することで、そのコスト以上にエンジニアリングによる価値創出ができたと思います。

新卒4年目:ピープルマネジメントを始める

引き続き、開発・PjM・ディレクション・マネージャーを4年目も行っておりました。
しかしここで、チームとしての崩壊の危機があります。

開発部署としては、事業貢献をガンガンに出しており、会社からも注目され表彰されるようなチームでした。
ですが私自身プレイングマネージャーのスタイルで、1割もピープルマネジメントをしておらず、チームメンバーの不満が溜まり切っている状態になっていました。

ここで、チームメンバーと向き合う時間を増やし、ピープルマネジメントの施策をいろいろ試したことを覚えています。
また、チームの修復をしている中で、3つの部署を合併するプロジェクトが水面下で動き始めます。

3つの部署の文化、開発プロセス、技術スタック、何から何まで違う状態から、一つの組織の方針をさまざまな観点で議論していき、あーでもないこーでもないと半年かけて準備しました。

新卒5年目:部署のマネージャーに

新部署「マーケティングテクノロジーDiv」が設立され、4チームの部署のエンジニアリングマネージャー(バイスゼネラルマネジャー)に昇格しました。

このタイミングで、自身のプロダクトの開発やPjMから離れて、エンジニアリングマネージャーに集中することになりました。
この一年で、違う部署だった方達の人間性を知ること、プロダクト方針やマイルストーンを知ること、プロジェクトマネジメントの方法を知ること、色んなインプットをしました。

中でも、スクラム開発をやっているチームが2つあり、スクラムの基礎についての勉強や、チーム毎のやり方の工夫などを見せてもらい、自身のプロジェクトマネジメントスキルの向上を感じました。
部署全体の状況把握を深めながら、チーム全体にプロダクトマネジメントの施策も行いました。

主には2つあります。

  1. 開発する案件の不確実性を下げるために、開発目的・期待効果・事業への影響度などをできるだけ具体的にする施策をチームで行なった
  2. 事業貢献のためのプロダクトが複数あるが、それぞれがどう関連しているのか、他チームのプロダクトを相互理解し、各チームの連携力や提案力を上げる取り組みを行った

新卒6年目:部署のピープルマネジメントに注力

5年目の後半ほどから、新部署において、一番の混乱期を迎えていました。

技術施策もプロダクト施策も色んなことを新部署で行うことで、別の部署だったチームが違った良い文化を吸収することもありつつ、衝突もしてしまうような事例がありました。
そこで、この一年はピープルマネジメントを最も注力しました。

全メンバーとの相互理解を深めたり、全チームのMTGに参加し、状況把握をより深く行なったり、先輩マネージャーにピープルマネジメントの教育をしていただきました。

時間をかけて、OKRの策定、評価方法の刷新、チーム間連携の改善、ステークホルダーとの衝突、個別事情の対応、さまざまな施策を行いました。
また、技術のプロフェッショナルの方達が集まって議論し、技術推進するチームが発足されました。

自分もその議論に参加することで、技術力を上げるために、どういった観点で考えるべきなのか、とても勉強になりました。

新卒7年目:開発に再度挑戦

新部署の改善が少しずつ進み、組織として、統一され始めたぐらいの時期になります。
ピープルマネジメントも安定し始めたところでしたが、自身のある課題が気になり始めました。

それは、私自身の開発レベルが高くないことによって、技術という分野においては、組織の施策を推進しづらいという課題でした。

ここで自分の相対的に弱い部分である開発スキルを伸ばすため、1プロダクトの開発を担当し、エンジニアリングマネージャーを兼務しつつ、開発も行うような体制にしました。
この取り組みの詳細はこちらへ

また、新しくプロダクトマネジメントの施策も進めました。

  • 開発/運用しているものが実際どのくらいの金額感で価値を創出しているのか定量化する施策
  • 開発/運用するために、どれだけ人件費を使っているのか投資費と運用費を分けて算出する施策

こちらにより、エンジニアリング組織における定量的な目標を設定したり、優先度判断の指標としたり、会社に対する貢献度の説明要素として使う事に活用できるようになりました。

新卒8年目:組織改善を着々と

引き続き、開発者と部署のマネージャーを両立して行いました。

7年目よりも、部署の各プロダクトやチームの詳細に入り込み、状況把握を行いました。
合併した時と比べると組織としても、かなり改善が進み、運営が安定してきました。

自分だけが担当していた業務を他の方に担当できるように、色んな属人化解消も行いました。

8年間の振り返り

良かったこと

  • ADWAYSの社風が自分に合っていた
    • 幅広く挑戦させてくれたり、責任を追う仕事を任せてくれたり
    • 他の人よりも時間をかけて業務(勉強)したかったので、それをさせてくれる環境だった
    • 自分と同年代のすげー人がいっぱいいて、めちゃくちゃ刺激を受ける
    • 同期性を大事にしているので、チームで共有を小まめにやっている
    • 予想外な事象が起きても柔軟に方針転換ができる
    • 業務に直接関係の無い勉強のためにも時間が取れる
  • シンプルにネット広告がおもろい
    • 自分もユーザーの一人であるが故に、どうすれば良い広告を提供できるのかイメージしやすい
    • TwitterやTikTokといったメディア、Appleなどの業界の動きに追随するため、常に変化があって面白い
    • ネット広告の歴史は浅く、日常を通してどんどん新しい歴史が作られていく感覚がある
  • 優しい人ばっかり
    • 先輩や職位が高い人にもフラットに意見を言える文化
    • 質問のしやすさがやばい。わからないことを聞いて咎められることがない
    • 改善すべき提案をすると、みんな協力してくれる
  • やりすぎなんじゃないかってぐらいホワイト
    • フレックス制なので勤務時間が割と自由
      • 昼の12時から出勤してOK
      • 夜遅くまで業務してもOK
      • もちろん早く帰ってもOK
    • みんな残業少ない
    • 飲み会が少ない
      • ほんとに飲みたい時だけ飲める
    • 完全リモートでめちゃくちゃ働きやすい

改善したいこと

  • 開発もっとできるようになりたい
    • 開発以外のスキルも幅広く高まったけど、悪く言えば中途半端なものが多い
    • とはいえ、広いスキルというのも強みではあるので、今後でどうレベルアップするか検討中
  • マネジメント系の役割の業務改善
    • マネジメントは負担が高い業務である上に、杉内が丁寧なマネジメントを心がけるべきと考えるあまり、部署全体にチームや部署のマネージャーは大変な仕事であるイメージを作ってしまったかもしれない
    • マネージャーがもっと働きやすい環境を作れるようにしたい
  • 自分がリモート環境でもっと熱意を持って働けるように、セルフマネジメントしたい
    • リモート環境でも、モチベーションを維持して業務しているつもりだが、出社時とリモート時の熱量の差は少し感じる

最後に

ADWAYSにいる8年間は自分にとって大きな財産になっています!
いろんな方々に支えられて、いろんな勉強になりました。
熱中させてくれたプロダクトや関わってくださった方にとても感謝しています。

これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします!!