1on1の7つ道具

こんばんは。りょーまです。
社内でアジャイルやUXデザインを推進している人です。

皆様、ラグビーはご覧になられましたか?
ブレイブ・ブロッサムズ、最高にカッコよかったですねー!!
「本物」のスクラムは迫力満点です。

さて、今回は1on1についてです。
1on1はマネジメントをする上で、超が付くほど重要なイベントです。
進め方に迷っていたり、上手くいかない人は是非参考にしてみてくださいませ。


1on1とは

1対1。で行うミーティングの事です。
今日世間一般的に存在している個人面談との違いは、その目的にあります。

個人面談

目的:評価(MBO)、進捗管理
内容:上司が部下を評価する、上司が部下に進捗を確認する

1on1

目的:部下の成長
内容:部下が上司に話したいことを話す(壁打ち)

昨今、人や組織の価値観が見直され始めており、よりボトムアップに、よりフラットになってきてます。
これはモノ・コトの不確実性が高まってきており、今まで以上に自律的な判断や行動が必要とされてきている事が大きな要因の一つです。
上司のあーしたい、こうしたいだけでは量も質も不十分と言うことです。
関連する小話ですが、シリコンバレーでは「許可を求めるな謝罪せよ」とか「早く失敗せよ(そして学べ)」といった主体的かつ行動的な指針が一般的です。

ちなみに、評価や進捗管理が不要ってことにはなりません。
これはこれで重要です。


7つ道具

ここからはやり方/考え方のお話。
だいたい順番になってます。

1.場を作る

まずは実施する場を作ります。

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  • 場所

開放的な場所がオススメです。私はよくカフェスペース(自社)で行います。
個室だとどうしても「評価」とか「真面目な話」っていうバイアスが掛かってしまい、リラックスして素の話が出づらい傾向にあります。
お菓子なんか用意しても良いですね(私の1on1担当は必ず飴を持って来てくれます笑)

  • 位置

斜めか横に座ることをオススメします。
これは心理的な話で、対面は敵対とか緊張を生んでしまうので。

  • 姿勢

顔を見て話しましょう。
よく「目」って言いますが、あまりじーと見つめすぎると恐いし恥ずかしいので顔くらいでちょうど良いです(完全なる持論)。
良く部下の話をPCカチャカチャ、自分の仕事をしながら聴く人が居ると聞きますが、これは絶対にやめましょう。1on1の議事録とかは仕方ないです。

2.話を聴く

主役は部下です。あなたは部下にとって都合の良い壁となること。

  • 繰り返しと要約

傾聴の基本として、相手の発言を繰り返しましょう。
これは自身の理解や整理にもつながるので機械的にやるぐらいの意識でもいいと思います。
そして、可能であれば話を要約してあげましょう。
「つまり、こういうことなのかな」って。決め付けないように注意。

  • 承認

部下に限らずでずが、人間は承認欲求の塊です。
やっていることを認知しましょう。
何もかも褒める必要はありません。
それをそれと認めるだけで良いです。
「最近〇〇について学習しているね」「この前△△の会議で意見出していたね」

  • 沈黙に耐える

話を聞いている中で、よくあるのが沈黙です。
最初はなんとも気まずい雰囲気になりますが、、じっと堪えましょう。
経験上、何にも出てこないということは殆どありません。
それくらい人は根底では何かを考えているものです。

3.質問をする

聴くといっても、「うん」「そうなんだ」「なるほど」と相槌ばかりでは話に深みが出づらいです。
深掘りするために質問をしてみましょう。
質問は大きく分けて二週類の方法があります。

  • オープン・クエスチョン

答えがフリーになる聞き方で、「どんな時にモチベーションが上がるの?」のように使います。
質問のワードに引っ張られないため発見が多く、部下の本音が拾いやすいです

  • クローズド・クエスチョン

答えがyes,noになる聞き方で、「〇〇と△△どっちがモチベーション上がるの?」のように使います。
1on1の目的を考えると基本的にはオープンクエスチョンが良いのです。
なかなか話が続かない場合や、ヒントを与える時にクローズドクエスチョンを使うと良いです。

4.行動計画を立てる

最終的に何か行動をしないことには成長しません。そのための計画を立てましょう。

  • 小さな一歩でOK

小さく始める。これはすごく重要です。
行動に移せない一番の理由はやろうとしていることが大きいことにあります。
大きいことで、具体性にかけ、何から始めて良いかわからず、結果が出るのにも時間がかかり。。
些細なことでも良いので動き易い第一歩を決めましょう。

NG ・・・新機能を実装しユーザー獲得を50%増やす
Good・・・ユーザー獲得のために必要な手段を一つ考えてみる

  • リードしすぎない

繰り返しになりますが、主役は部下です。
「何をするか」は可能な限り本人に意思決定させましょう。
上司が決めることを繰り返すと次第に依存関係が発生し、部下の主体性が育まれません。

5.記録を残す

なんの話をしたのかを記録しておきましょう。
webでも良いですし、紙やホワイトボードでも良いです。

  • FBも添えて

記録を残す際に、その1on1の感想やFBを伝えてあげましょう。
文章として形に残すことで、結論が明確化され行動やモチベーションを促進させます。
1on1の結びとしてとても効果的です。

6.相手に合わせる

残念なことに、これ通りにやったら上手くいくのであれば誰も苦労しません。
人間相手の事なんで、それぞれに合ったやり方/さじ加減にしていくのが。
本来あるべき1on1です。
そして、これがマネージャーの腕の見せ所かと思います。

例えば・・・

行動力が高い人・・・聴き役に全振りし、相手の情報整理に務める
何をして良いか分からない人・・・ヒントを多めに、時には具体的な行動案まで伝えてみる
周囲の目を気にする人・・・オープンなスペースではなく、会議室で話す

7.振り返る

最後に自身の1on1での振る舞いや、結果(メンバーの成長につながる場になっているか)を振り返りましょう。

  • FBをもらう

その1on1が有意義かどうかはあなたが決める事ではありません。
対象メンバーにFBを貰いましょう。
直接的に聞くと遠慮されちゃうと思う方はアンケート等のオンラインで聞くのも有効な手だと思います。


KPI

どんな状況になっていればその1on1が上手くいっているのか
いくつか定量的な指標(事実として認知し易い事)を挙げてみます
あくまでも参考までに

  • 部下の話している時間が長い(上司比較)
  • 笑いが起きる(明るい雰囲気)
  • プライベートの話をしてくれる(メンバーから能動的に)
  • 目を見て話してもらえている
  • 中止にならない(重要な会と認識されている)
  • 質問される
  • 行動計画で終わる
  • 感謝される

私は、以上のような出来事が1on1が成立している要因の一つと考えています。


さいごに

「7.振り返る」にあるように、私自身も振り返りをしてみました。
実はその産物がこのブログとなります。
書いていて十分に出来ていないこともあります

また、それっぽく書きましたが、1on1に正しいやり方なんてないと思います。
皆様に合ったやり方、そしてそれがメンバーのためと自信を持てる方法であればそれで良いと思います。
大事なのは振り返りと改善ですね(結局ここに行き着く)。