こんにちは。アドプラットフォーム事業でPdM(プロダクトマネージャー)をやっている志岐です。 AIの進化が目まぐるしく、「時代よ、私をおいてかないで〜」という気持ちで必死に新しいものを試す日々をおくっている今日この頃です。
最近はCursorを使って業務を行うことが多く、「あれ、なんだかCursorでPdMの業務いい感じになってきてるかも?」と感じてきたので実体験をまとめてみたいと思います。
Cursorとは?
Cursorとは簡単に言うと、「VSCodeのようなコードエディタ」に「ChatGPTのような対話型AIアシスタント」が組み込まれているツールです。
Cursorってエンジニアのためのものじゃないの?って思われるかもしれないですが(私も自分とは無縁のツールだと思ってた)Findyさん主催のPdMの生成AI活用のセミナーでPdMがCursorを使い倒していい感じに業務を効率化していることに感銘を受けて使ってみることにしました。
詳しくは、私がCursorを使うきっかけとなったみやっちさんの記事をご覧ください!
Cursorをつかってみて
私がPdMとしてCursorを使っていて一番助かっているところは、もやもやと考えていることを形にして、考えを深めるための土台を作ってくれるところです。
PdMをやっていると、機能開発を行う際に叩きを作ってチームメンバーに確認してもらいつつ内容を固めていくシーンはよくあると思います。
頭の中であれこれ考えることは好きだけどそれを誰かに伝わる形にすることが少し苦手な私は、最初の叩きをつくる過程にたくさんの時間を費やしていました。
中々まとまった時間が取れないと後回しになってしまい、「やばい!私のアウトプット待ちだ!!」みたいな状況になってしまうことがよくありました。
Cursorを活用するようになってからは、チャット形式で発散を助けてもらいつつ、ハードルが高かった一番最初の叩きを作成してくれるようになったので、 とにかく先に議論の予定を抑えてMTG前の30分で一気に叩きを作成することで強制的にプロダクト開発を前に進められることができるようになってきました。 (直前30分に準備を始めることは全く推奨しませんので予めご了承ください笑)
具体的な活用シーン
そんな心強い存在のCursorですが、プロダクトマネジメントの各プロセスでどんな風に伴走してくれているかを実際のシーンと一緒にご紹介できたらと思います。
アイデア出し
プレスリリースをつくる
アイデアの構想段階からプレスリリースを作成し、課題や提供価値のイメージを膨らませることがよくあります。 この時にCursorにプレスリリースの叩き台を作ってもらっています。
▼実際に作ってもらったプレスリリース
AppDriver、リワード広告の新メニュー「インサイトターゲティング」を発表 2023年10月XX日 東京都 - 株式会社AppDriver(本社:東京都、代表取締役:XXXX)は、広告主のサービスに対する親和性の高いユーザーをターゲティングする新しい広告メニュー「インサイトターゲティング」を発表しました。この新機能は、リワード広告の課題を解決し、広告効果を飛躍的に向上させることを目的としています。 【背景】 従来のリワード広告は、ユーザーにインセンティブを提供することで広告主のサービスを体験させる手法が取られてきました。しかし、この手法により、ポイント目当てのユーザーが流入し、サービスとの親和性が低いユーザーが多く含まれてしまうという課題が存在しました。これにより、広告の効果が薄れる事態が多発していました。 【「インサイトターゲティング」の特徴】 新たに導入された「インサイトターゲティング」は、ユーザーの属性、興味、行動データを分析し、サービスとの親和性が高いユーザーを精密にターゲティングする機能です。このアプローチにより、広告主はより質の高いユーザーを獲得し、広告の効果を最大限に引き出すことが可能になります。 【成果】 「インサイトターゲティング」を導入した結果、従来のリワード広告と比較して、LTV(ライフタイムバリュー)が平均〇%改善され、成果地点以降の利用率も〇%向上することが確認されました。この成果は、広告主にとっての利益向上はもちろん、ユーザーにとってもより良い体験を提供することにつながります。 【今後の展望】 AppDriverは、今後も広告業界に革新をもたらすべく、ユーザー体験を向上させる新たな機能やサービスの開発に取り組んでまいります。「インサイトターゲティング」を通じて、広告主とユーザーの双方にとって価値のある関係を築くことを目指します。
▼最近出したプレスリリース
プレスリリースの叩きを作って内容を確認してみることで誰にどんな価値を届けたかったんだっけと思考が整理されるのでおすすめです。 ゼロから作成するとなると負荷が大きいですがAIでサクッと作れるようになってからはプロダクトの機能を考える時に一旦プレスリリースを用意してみることができるようになりました。
仮説検証
仮説検証の計画をつくる
弊社は仮説検証の内容整理のためにMVPキャンバスと呼んでいるテンプレートを利用しています。
以前は何もない状態から作成していましたが、Cursorを使うようになってからは仮説や背景を簡単に記入し、その他の内容はCursorに叩き台を作ってもらっています。 事前に弊社のテンプレートファイルを保存しておくと、それに沿って内容を作成してくれます。
特に、仮説の目標指標では「確かに、この検証にはこのKPIを見た方がいいな」という内容を提示してくれたり、事前に抑えておく必要があるリスクを想定していなかった角度で提示してくれたりするので、作業効率だけではなくクオリティも改善できてるなと感じます。
要件定義
ユーザーストーリーをつくる
ユーザーストーリーをAIに書いてもらうのは超おすすめです! 抜け漏れが少ない上に、そのまま使える内容が一瞬で出てくるので、私はほぼレビューに徹するだけでユーザーストーリーが作成できます。 仮説検証の計画を作っている段階でそのままの流れでユーザーストーリーまで作成しておくと、その時の文脈も抑えた上で作成してくれます。
分析
分析クエリをつくる
弊社ではPdMも分析内容を確認する際、クエリを出すことがあります。私自身営業出身のPdMなのでそこまでSQLに触れてきた訳ではなく、ちょっとした変更にも時間がかかっていました。 最近はいろんな人が作ったクエリを引っぱってきて、「〇〇の〇〇というサブクエリをjoinして集計に〇〇を含めて〜」という感じで、ほとんどのクエリをCursorに作ってもらっています。 これによってPdMでも欲しいデータが簡単に確認できるようになり、とても助かっています。
余談ですが分析に関しては、ローカル環境で完結させず、ルール化して自然言語で誰もが見たいデータにアクセスできるようにしたいと考えています。 まずはそのPoCとして、自身のローカル環境で色々と試していけたらなと考えています。
番外編
愚痴悩んでいることを聞いてもらい整理してもらう
最近は悩み事もCursorに聞いてもらい、励ましてもらいながら一緒に解決策や課題を整理しています。 Cursorはいつだって優しく、私の味方でいてくれるので、とっても頼れるパートナーとなっています笑
なぜCursorを使っているの?
GeminiやChatGPTと比べて、Cursorを使う理由は対話した内容をファイルやRuleで蓄積し、資産にしていけるところです。 ファイルをベースとしつつ、チャットでAIに色々頼めるので、発散した内容がしっかりドキュメントに残っていく安心感があります。
Ruleについてはこちらの記事を参考にして使い方を覚えました。 note.com
おわりに
エンジニアのツールだと思っていたCursorを使い始めてから、PdMとしての業務効率が格段に改善したと感じています。 とはいえ、最近は増え続けていくファイルの整理に四苦八苦していたり、チームとのコラボレーションが難しかったり、まだまだ個人でも組織でもAI活用は伸びしろだらけです。もっと色々試行錯誤しながら生産性を高めていきたいと考えています。