ファシリテーターが持つべき10の心得

こんばんは、りょーまです。

今回はファシリテーションについてです。
役割柄ファシリテーターを担当することが多くノウハウが溜まってきているので、体系化も兼ねてアウトプットしてみたいと思います。

毎度のことですが、あくまでも持論です。

ファシリテーションとは

複数人での活動を促進するための行い全般を指します。
※ファシリテーション役をファシリテーターと呼ぶ

よく司会と混同されがちですが、目的も振る舞いも別物です。
司会は「会を滞りなく進行させること」が目的であり、そのために「台本通り」に進めます。
一方でファシリテーションは「活動を促進すること」が目的であり、そのために「臨機応変」に進めます。

ファシリテーションはチームワークに欠かせない重要なスキル

良いチームには、共通の目的や課題、洗練された戦略や戦術が十分に備わっています。
これらの発生源は対話です。
どれだけ崇高な計画があろうと話さなければ絶対に伝わりません。
では話せば伝わるのかというと、なかなかそう簡単ではありません。

そこでファシリテーションが役に立ってきます。
ファシリテーションは対話を活性化させ、相互理解を支援します。
そして、結果的にチームの活動を促進させます。

10の心得

では、実際にどんな姿勢を持つべきなのか、どんな振る舞いをするべきなのかを紹介していきます。
※何かを決めるための会議をイメージしてください

1.話しやすい雰囲気を作る

これができるか否かで戦局が決まると言っても過言ではないです。
一見感情論に見えますが逆です。 言いたいことを言える環境はアイデアや意見の量を産みます。
また、聞き手も雑念なく聞けるので解釈の安定度がグッと増します。
雰囲気を作ることは有意義な議論の場を作る論理的なアプローチの一つです。

アイスブレイクから始めたり、他愛もない雑談をしてみたり、会議のグランドルール(マインドセット)を決めたり、色々とやりようはあります。
砕けた雰囲気が好きなチームもあれば、粛粛とした雰囲気が好きなチームもいるでしょう。
本当の意味で空気を読み、チームに合わせて雰囲気を作ってみましょう。

2.発散させる

悪い会議(ファシリテーション)はいきなり正確な解答を探そうとします。
それができるならそもそも会議は不要です。
まずは、何でも思っている事考えている事を出してもらいましょう。
「何でも良いよー」「間違ってても良いからねー」とちゃんと声に出して何度も伝えましょう。

私はもくもくタイム(10分程度考える時間)をとり、各自付箋に書き出してもらう方法をよく採用しています。
満遍なく参加者から意見を吸い上げることができます。

3.話を要約する

事実、原因、対策、今話したい論点はどこなのか。
意見Aは意見Bに内包されているのか、それとも別物なのか。
異なる観点/角度で出てくる意見を整理しましょう。

文字(声)にすると別に見えても伝えたいことは一緒だったりします。
また、その逆も然りです。
ディスカッションに参加しているメンバーは意見を伝えることに頭を目一杯使っているため、全体感が見えづらいです。
ファシリテーターが一歩引いた視点で要約してあげることで、メンバーの理解度を維持向上しながら会議が進められます。

この時に大事なのが、あらゆる意見を尊重し丁寧に扱うこと。
自身の解釈に不安がある場合は、「〇〇ってことですか?」と普通に質問しちゃって良いと思います。

ここは特にファシリテーターのスキルが問われる部分だと思います。

4.要点を繰り返す

その会議には開催目的があるはずです。
冒頭に伝えるのは勿論のこと、会議の節目に再度伝えましょう。
また、議論が進むと新しい目標や具体的なプランが生まれてきたりします。
それらも重要なチェックポイントとなるので、声に出して繰り返し伝えましょう。
しつこいくらいでちょうど良いと思います。

5.発言量のバランスをとる

会議はチームで行うものです。
特定の人物の意見に偏りが出るのは意思決定に不平不満を来す可能性が大きいので、可能な限りメンバー全員が参加できるようバランシングしましょう。
(ただ、たくさん意見してくれる人は貴重な存在です)

良いファシリテーターは話を振るのが上手です。
「〇〇さんはどう思う」
そんな一言が大きなヒントを得られることも少なくはないです。
それでも中々出てこない場合は選択肢を与えても良いと思います。
「AとBどっちが良いと思う?」
選択してもらえたら理由を聞いてみると良いでしょう。

6.変化へ対応する

筋書き通りに行かないのが会議です。
妥協ではなく、必要であれば目的やゴールを変えて良いと思います。

勘違いしてはいけないのは、会議の準備(アジェンダ)は必須です。
ただ、必要以上に作り込まなくて良いと思います。どうせ変わるので。
計画に引っ張られすぎると本来の目的とズレてくることが起き得るのでその点は注意です。

7.自身のポジションを理解する

ここまでの6項目で分かるように、ファシリテーターは常に冷静に全体(全員)を見渡す必要があります。
そんな中、自身も会議の一参加者として出るべきなのでしょうか(ファシリテーターと兼務)。
これは単純に非常に難しい上に、会議の支配者となってしまう懸念点があるのであまりお勧めしません。

勿論チームの状況や議題次第で色々なポジショニングが考えられますが、基本的にはファシリテーターは意思決定には直接的に関与せず、ファシリテーションに専門化するべきだと思います。

8.合意形成を後押しする

ということで、ファシリテーション専門のあなたは合意形成(チームの意思決定)を後押ししてあげましょう。
大事なのはメンバー各々がその結論を理解/納得し合意しているかどうかです。

後から実はこう思ってたという「差し戻し」はソフトウェア開発と一緒で不幸しか産みません。
納得していなそうな人は顔を見れば大体わかるので意識してみると良いですよ笑
そして納得していないこと自体は決して悪いことではなく、決定事項の質をあげるチャンスだと思って粘り強く議論を続けましょう。

合議と独裁

何でもかんでもチーム全員で決めるというのは非合理的です。
リーダーやマネージャーがある種独裁的に決めるべきシーンもあります。

9.たくさん経験する

こう振る舞えば上手く行くだろうという理論はいくらでも作れます。
ただ、確かなスキルに昇華させるには場数を踏むしか無いです。

可能であれば色々なコンテキストで経験できるとより良いです(違うチーム、テーマ)。 あとはちゃんと振り返ること。

10.ファシリテーターを委譲する

これには二つの目的があります。

一つ目は純粋に委譲したその人がファシリテーションスキルを持つこと。
二つ目はファシリテーター目線で、会議参加者の振る舞いを見てもらうこと。

どれだけ優秀なファシリテーターが居ようとも、参加者がその気にならない以上どうにもなりません。
ファシリテーターを務めることで、どんな意見の出し方や振る舞い方が良い会議を形成するかが分かるようになります。
頷き(リアクション)がどれだけ会議のリードタイムに影響するかが分かりようになります笑

最後に

先日、後輩にファシリテーションについてレクチャーする場があったのですが
結構テキトーな事伝えたかなもう少し上手く表現できたらなと思い、ちゃんとまとめてみました。
届けこの想い。

それでは皆様残暑にお気をつけて。