AWS Summit Japan 2025 参加レポート

こんにちは。25新卒で、アドプラットフォーム事業部のアプリケーションエンジニアをしている桒原です! 今回は「AWS Summit Japan 2025」(以下AWS Summit)の参加レポートをお届けします。 初めての記事執筆となりますが、どうぞよろしくお願いします。

参加のきっかけ

もともと研修期間中にAWS JumpStartに参加した経験があり、AWS Summitにも興味を持っていました。しかし、「平日開催で研修期間中でもあるし...」と参加を諦めかけていたところ、Slackに流れてきた1通のメッセージが転機となりました。

@here
大きなイベントがあります。
年1のセミナーなので積極的に参加しちゃってください。
https://aws.amazon.com/jp/summits/japan/
AWS サミット。
初心者向けとかあるので新卒とかも参加してもらってもいいよ。

この投稿をきっかけに、25卒内で「新卒でも参加できるなら行ってみたい!」という話になりました。研修の取りまとめの方、講師の方に相談をし研修内容を一部調整してもらうことができ、チーム開発研修の期間中にも関わらず、2日間の参加が決定しました!

当日の雰囲気

会場となった幕張メッセは非常に広大で、参加者数も相当な規模でした。最寄り駅から会場まで、人の流れに身を任せるだけで自然と到着できる程の盛況ぶりでした。会場内は、セッション形式のステージエリアと、企業ブースでのディスカッションエリアに分かれており、参加者は自由に行き来しながら学習できる構成となっていました。

スポンサー企業のブースでは、エコバッグ、ボールペン、お菓子類などの実用的なノベルティから、ユニークなアイテムまで多種多様な配布物があり、まさにお祭りのような賑わいを見せていました。

印象に残ったセッション

自分が参加してみて特に印象深かったのが、次の2つのセッションです。

  • Amazon Nova 入門 〜 マルチモーダル生成AIの可能性 〜
  • AI による次世代マーケティング 〜 Agent がつなぐデータと AI 〜

どちらも、クリエイティブ分野へのAI活用に関心があった自分にとって、非常に有意義な内容でした。

Amazon Nova 入門セッション

Amazon Novaのマルチモーダル理解モデルでは、4つのモデル(Micro, Lite, Pro, Premier)が提供されています。特にPremierモデルでは最大100万トークンのコンテキスト長を処理可能で、200以上の言語に対応しています。Micro以外のモデルでは、テキストに加えて画像や動画も入力として扱えます。

特に印象的だったのは、アメフトの試合映像を解説するデモンストレーションでした。AIが選手の細かい動きを正確に分析し、以下のような自然なキャプションを生成していました:

試合が始まると、選⼿たちは素早く 動き出し、ボールをキャッチして ⾛り出します。ボールキャリアは、 相⼿チームの選⼿をかわしながら前進し、 最終的にタックルされて 倒れてしまいます。 その後、両チームの選⼿がフィールドに 散らばり、次のプレーの準備に⼊ります。

Amazon Nova Canvasの活用事例

Amazon Novaのクリエイティブコンテンツ生成モデルであるCanvasは、テキストや画像を入力として、高品質な画像や動画を生成できます。広告、マーケティング、Eコマースなど幅広い分野で、スタジオ品質のクリエイティブ制作が可能です。

実際の成果として、Canvas を活用した動画生成により広告クリエイティブを制作した結果、CVR(コンバージョン率)が8.62倍、CPA(顧客獲得単価)が73%削減されたという驚異的な成果が報告されました。 担当者も「本当に信じられない結果だった」と述べていました!

画像編集機能では、線を維持するモードと面を維持するモードを選択できるなど、細かい制御が可能な点にも感銘を受けました。

数年前の動画生成技術といえば、スパゲッティを食べるウィル・スミスの指が6本になってしまうような、一見それらしいものの事実と矛盾する画像を生成していました。当時はプロダクションレベルでの活用は困難でしたが、現在では実用的なレベルまで技術が向上し、実際のビジネスでの検証・活用が可能になったことに技術進歩の速さを感じました。

イベント後の感想会

AWS Summit終了後、参加メンバーで感想会を開催しました。 印象に残った内容や、組織・プロダクトへの導入検討事項を付箋に書いて整理をし、関心の高いトピックを中心に議論しました。

主要な議論内容

サーバーレスアーキテクチャについて 「Lambda > ECS/Fargate >>>>> EKS」という意見が多く、常時リクエストが発生しないシステムではLambdaをファーストチョイスとする方針が妥当という結論に至りました。 ただし、Scalaを採用したシステムにコールドスタート問題やメモリ使用量の課題が指摘されました。

レガシーシステムのモダナイズでは、Lambdaの活用も積極的に検討しています!

マネージドサービスの活用 他社さんの事例の一つにあった、EC2の使用を原則禁止としていることが話題となり、運用負荷軽減の観点からマネージドサービスを優先すべきという意見で一致しました。

Gravitonプロセッサの導入検討 GravitonはAWSが独自開発したArmベースのプロセッサで、従来のx86インスタンスと比較して最大40%のコストパフォーマンス向上を実現できるとされています。コスト削減効果は大きいものの、既存のEC2インスタンスからの移行には相応のコストと工数が必要となるため、投資対効果を慎重に検討する必要があることが議論されました。

振り返り

正直なところ、AWSのサービスについてはまだ学習途中であり、「参加してもついていけるだろうか」という不安がありました。しかし、初心者向けのセッションが充実しており、今年からAWSに触れ始めた私でも理解しやすい内容が多数用意されていました。

特に生成AI関連(Bedrock、Amazon Q、Nova、SageMakerなど)の最新情報を直接聞けたことは大きな収穫でした。技術トレンドを肌で感じられる貴重な機会となりました!

おわりに

技術カンファレンスに参加したことがない方にも、このレポートを通じて少しでも興味を持っていただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。