自社メディアがなくてもリサーチできる、3つのポイント


こんにちは!
デザイナーのさくらいです!

最近では梅雨も明け、厳しい暑さがやってきましたね。
体感温度が体温並みらしいですが、無理せず乗り切りたいですね・・・!

今回は猛暑どころか年中頭を悩ませる「リサーチ」についてお話したいと思います!

以前の記事で、「生活者体験の向上」を目指してサービス改善に取り組んでいるとお伝えしました。

その「生活者体験」の中でも重要な「リサーチ」の取り組みについてご紹介できればと思います!

こんな人におすすめ

  • サービス開発に携わる人
  • UXデザイナー、UXリサーチャーなどUXに関連する取り組みを行う人
  • PdMなどのサービス戦略を考える人


この記事を読むことで分かること

  • 自社メディアのないサービスがアンケートリサーチするためのポイントがわかる
  • アンケートリサーチのHow toが学べる
  • リサーチって何?という人にもリサーチのメリットがわかる

なぜリサーチをするのか?

リサーチとは、プロダクト開発においてユーザー起点の情報を収集しながら「仮説」を組み立て、情報を構造化し整理することです。
プロダクト開発において、ユーザーの心理や行動が開発の意思決定(課題の優先度や、施策内容の決定、仮説の立証など)に必要な情報となるため、リサーチは非常に重要です。

リサーチを行う大きな目的は、ユーザーの「現状把握」と「ユーザーニーズ」を知ることです。

関わっているサービスの「ユーザーニーズ」なら知っている!という方もいるかと思いますが、ユーザーニーズだと思っているものの中には 開発チームのバイアス(思い込み) でニーズと思っているものもあります。
実際にユーザーがどう感じているのかは、リリースして結果を見るか、リサーチで直接聞いていくしかないのです。


自社メディアがなくてもリサーチできる、3つのポイント

自社メディアがなく、 外部メディアの一部として展開しているサービス などでリサーチする方法は大きく2つあります。

  • 外部メディア経由の利用者にリサーチを行う方法
  • パネル調査などの全国調査からリサーチ対象を選んで行う方法

今回はパネル調査では出現率(目的の対象に出会える比率)が少ないのではないかという理由と、実際に利用しているユーザーの声を聞きたいという理由で「外部メディア経由の利用者にリサーチ」を行いました。

実際のリサーチを進めていく中で重要だと思ったポイントは3つあります。

  1. リサーチの目的を見据える
  2. 適したリサーチ環境と手法を用意
  3. 許可を必ずもらう

1:リサーチの目的を見据える

とりあえずでリサーチを進めることも、前進という意味では悪くないのですが、どうせ取り組むのであれば結果も欲しいところです。
そこで必要なのが「リサーチの目的」です。

リサーチには2種類のパターンがあります。

◆探索型リサーチ(体験設計)
探索型リサーチは、リサーチにもとづき仮説を立て、ニーズを深掘りするアプローチ方法です。
顕在ニーズや潜在ニーズを把握するために行います。

◆検証型リサーチ(仮説検証)
探索型リサーチをもとに立てた仮説が、ユーザーニーズにマッチしているのか、検証するために行います。
数字で裏付けできるように定量調査も行われます。

上記、どちらのリサーチのパターンを採用するかによって、得られる情報と進め方が変わってきます。
選ぶ際は、今のサービスの状態や目的に適したリサーチパターンを採用します。
弊社の事例としては、リサーチの初動として「ユーザーニーズを探る」ことが重要だったため、「探索型のリサーチ」として利用ユーザーに広く浅くニーズを聞くことを目的としました。

2:適したリサーチ環境と手法を用意

上記で目的を明確にしたら、その「目的を達成できるリサーチ」をしなければいけません。

探索型のリサーチでは、

  • アンケート
  • ユーザーインタビュー
  • ユーザビリティテスト
  • デスクリサーチ
  • パネル調査

などの選択肢があります。

今回のリサーチでは「利用ユーザーに広く浅くリサーチし、ユーザーニーズを探る」ことが目的だったので、定量データとして説得力もあり全体感が掴みやすい「アンケート調査」を行うことにしました。
弊社の取り組みでは調査内容に加え「社内のリサーチ能力の向上」も見据えて、外部のリサーチ会社と協力しながら調査を進めていきました。
初めてのリサーチを行うので不安という方は、一度リサーチ会社に連絡してみると良いかもしれません。(弊社はかなり学びがありました!)

3:調査の許可をもらうこと

3つ目のポイントは「調査の許可をもらうこと」です!

今回のリサーチは 「外部メディアの一部として展開しているサービス」「外部メディア経由の利用者にリサーチ」 を行うという内容ですので、メディアの許可とユーザーの許可、2つの許可が必要になります。

メディアの許可は、メディアの利用者の一部にリサーチを行うのですから、当然実施内容をお伝えして許可をいただく必要があります。

ユーザーの許可については、最近では個人情報の改正があり、個人情報と個人関連情報についてはユーザーの許可が必須になりました。
そのため、リサーチを行う場合は必ず「どんな情報を」「どのように利用するか」を開示し、許可を得る必要があります。

これを忘れると大変なので、必ずリサーチの際は実施するようにしてください!


  1. リサーチの目的を見据える
  2. 適したリサーチ環境と手法を用意
  3. 許可を必ずもらう

以上の3つのポイントを押さえれば、 「外部メディアの一部として展開しているサービス」 でも 「外部メディア経由の利用者にリサーチ」 を行うことができます!

調査結果から学んだこと

ではアンケート調査の結果から何が分かったのか、気になるところですよね。
今回「利用ユーザーに広く浅くリサーチし、ユーザーニーズを探る」目的に対し、2回のアンケートを行っています。

1回目は、弊社サービス利用者に満遍なく質問をして全体感を把握しました。 アンケート結果から課題感の強い箇所に目星をつけてデプスインタビュー(1on1のインタビュー)をしたり、ペルソナの材料として一部活用しました。

2回目は、作成したペルソナが初心者ユーザーに着目したものでしたので、初心者の分析を行うために「サービスを一度も利用したことがないユーザー」と「何度か利用しているユーザー」に対してそれぞれアンケートを行なって差分を分析しました。

上記2回のアンケート調査を通して得られたこととして、

  • サービスを利用するユーザーの解像度が上がった
  • ユーザー体験のポイントとなる課題が見えてきたこと
  • チーム全体でリサーチの重要性を実感できたこと

などの成果がありました。

ユーザーの解像度や課題が明確になってくると、それだけ刺さりやすい施策を立てられるので事業的にも有意義な調査になったのではないかなと思います。
またデザイナーとしては「チーム全体でリサーチの重要性を実感できた」ことが一番の収穫かなと思っており、この意識があることでより「生活者に利用していただける強いサービス」へ改善していけるのではないかとわくわくしています。

ではまたノシ