こんばんは。 りょーまです。
UXチームの取り組み紹介第二弾です。
(前回はこちらアジャイルな組織にUXチームを作って色々試している話 - Adwaysエンジニアブログ)
今回はグロースハックについてです。
我々はなぜ、モノを作っているのか
作るため
こうなっている方いませんか
恥ずかしながら私もその一人でした
そしてこれは当然ながら大きな間違いです
作ることはただの手段でしかしなく、そこに価値は存在しません
ユーザーの課題を解決するため
これが正解だと今は思ってます。
(言葉選びは色々あると思いますが、、)
ユーザー(人)は生きていく中であらゆる課題や欲求を抱えています。
それを解決するのがモノやプロダクトであります。
そして人々の課題を解決できるようなモノはさらに人を集め
最終的には収益が発生します。
こうした流れをデータを軸に戦略的に考え、課題発見〜改善をしていくことをグロースハックと言います。
そしてそのフレームワークの一つにARRRAというものがあります。
「あーら」と呼びます。慣れるまで変な感じです笑
私達の組織ではこのARRRAを採用し、戦略的にプロダクト開発を進めていくことにしました。
ARRRAとは
まず、源流としてAARRRというものがあります。(順番が違うだけです) これを簡単に説明します。
- Acquisition:ユーザー獲得
- Activation:ユーザー活性化
- Retention:継続
- Referral:紹介
- Revenue:収益化
これらの頭文字をとって「AARRR」です。
ユーザーを獲得し、獲得したユーザーに価値を感じさせ、繰り返し製品を使ってもらい、それを周囲の人々に紹介してもらい、最終的に課金等の金銭が発生する
これらの5段階でユーザーの流れを整理し、課題発見〜改善をしていくためのフレームワークです。
ビジネスとして成立させるためには当然収益性がないといけないのですが、そこまでにはいくつかステップがあるよってことですね。
特にRetentionが大事であると昨今言われています。
これは現代のビジネスモデルの多くが、買い切りからサブスクリプション型に変わって来ているためであり、使われ続けることが非常に重要になって来ています。
(昨年のPMカンファレンスでも「愛されるプロダクトを作ろう」というテーマの元、使われ続けることの大切さを説いていたと記憶しています。)
で、ARRRAはなんなのかと言うと、順番を入れ替えただけです。
Acquisitionはあと回しでいいから、まずはActivation=価値ある状態にしよう。
ユーザーは後からついてくると言う考え方です。
具体的な計測/改善サイクル
では、具体的にどのようにしてARRRAを設定したのか、そして改善をして行こうとしているのかを紹介します。
1.目的の明確化
まず、何故それを作るのかを明確にします。
誰の どんな課題を 解決するため
これが目的となります。
ちなみにここでは、ユーザーインタビューやジャーニーマップを使い、課題の確度を上げていきます。
(前回ブログ参照)
他にもリーンキャンバス等を用いて、アイデアの全体像を捉えることもしています。
目的がはっきりすればツールは何でもいいです。
2.ARRRA設定
基本構成として以下3点を出していきます
- UX:理想とするユーザーの体験/行動
- KPI:UXの実現を判定するメトリクス
- 目標:具体的な数値
これらはUXデザイナーが一人で考えるのではなく、エンジニアも交えて考ると良いです。
データ可視化のイメージが湧くのはもちろんのこと、UXとして何を実現したいかの共通認識を持つことにも繋がります。
3.計測
RedashやTableauを使い、データを可視化しています。
2の工程でエンジニアがいると、このフェーズのスピードも品質も上がります。
4.評価/分析
状態の判定、フィードバックをしていきます。
そしてエンジニアやステークホルダーと一緒に改善策を練ります。
私のチームではスクラムを採用しているので、スプリントレビューの場にARRRAの評価を持ってこようと考えています。
またslack等のchatツールと連携して受動的にデータを監視できる環境を作るのもオススメです。
5.改善
最後に改善策の立案と実施です。
Activationを満たしていないのであれば、そもそものユーザーが求めていないことかもしれない。課題を履き違えているかも知れない。
Retentionを満たしていないのであれば、機能のユーザビリティに問題があるのかもしれない。
ARRRAの各ステップに照準を合わせ対策を打っていきます。
ここまでやって、初めてグロースハックです。
エンジニアを巻き込もう
逆に言えば、UXデザイナーを巻き込もう
要はグロースハックはデザインとエンジニアリングの融合なので、どちらか一人ではできないと言うことです(両方のスキルがあればいけるけども)。
プロダクトの状況判断をするために、定量的な情報と定性的な情報の両者があると強いです。
前者はログやデータベースに問うことで得られます。エンジニアの得意分野。
後者はインタビューやアンケートでユーザーに問うことで得られます。デザイナーの得意分野。
定量的データで事実を明らかにし、定性的データで何故を明らかにする。
両者が揃って根拠となり、最適な戦略を立てることができます。
今回ARRRAを採用すると言ってから、導入までが非常にスムーズでした。
その大きな要因がデザイナーとエンジニアの共創体制が整っていることです。
(どうやってそうしたのかはまた今度)
一人で悩んでいる皆様も、隣のエンジニア(デザイナー)に勇気を出して声をかけてみてましょう。
使われるモノを作るために
使われる理由を考えること これに尽きると思います。
今回はARRRAを採用しましたが、正直ツールは何でもいいと思います。
大事なのはユーザーの課題を正しく捉え、最適なソリューションを提供すること
そして、データを根拠として判断していくこと
(もちろんユーザーの気持ちも大切です)
最後に
ARRRA(グロースハック)を採用し、思考や行動としてはチームに馴染んできました。
が、まだまだ成果で出ているとは言えません。
理論だけではうまく行かないことも多いと思いますが、粘り強く継続していこうと思います。
それではまた二ヶ月後にお会いしましょう。