こんにちは、澤藤です
私自身はマネージャーとして、所属しているディビジョンで開発の質を良くしてスピード感を上げていくパフォーマンスUPに取り組んでいます
その中でデータ基盤やデータ整備周りの案件やTipsなどを共有するための共有会を発足して約1年弱運営したので活動内容を紹介させていただきます
発足の背景
まず発足時には次のような課題感がありました
- ユニットを跨いで案件の共有や実施したことを共有する機会があまり無い
- リモート勤務が常態化したことにより、他ユニットメンバーと雑談などのゆるいコミュニケーション機会減
さらに、以前ユニットを跨いで意見交換する会を何度か開いたことがありましたがその時には次のような課題がありました
- あまり顔を合わせたことがない人もいる中でなかなか話しづらい
- それぞれユニットによって使っている技術スタックが違う事があるので、自分達が使っていない技術に関しての発表や共有だったりするとあまり反応できない
- 「そうなんだー」という感じになってしまう
そこで今回は、ディビジョンとしてしばらく力を入れていくべき領域にテーマを絞って共有や議論を行う会を開いたらどうかと考えました
ディビジョンは下記のような状況でした
- ディビジョン全体でデータ整備を進めている(様々なユニットでデータ整備している)
- BigQueryを用いたDWH、データマートを構築する案件が増えてきた
そこで、データ基盤やデータ整備周りの案件をディビジョンのメンバーで集まって共有する機会を作ろうと思い至りました
とにかくこういう機会を作るというところが目的だったので名前は割と適当に「BigQuery案件共有会」と名付けて開始しました
活動を開始するまでは各ユニットのマネージャー、ディビジョンのマネージャーと軽く話をしてサクッと進めることになりました
ネタ集め
始めるにあたり、最初のテーマだけどうするか相談した結果、参加者がプライベートで取り組んでいるBigQueryを用いた競馬の予測の共有をしていただくことになりました
2回目以降は会の中で「共有できそうな案件やTips的なネタありますか?」という感じで特に工夫もなく参加メンバーに聞いて決めていきました
自然と「今こういう案件やってるので終わったら発表できそうです」「以前こんな事やってたよね?」などの会話から発表につながることが多かったです
会の流れ
この共有会でやった活動として次の2つがあります
- 事例の共有
- 勉強会動画視聴後の感想戦
事例の共有がある場合はそちらを優先して開催し、ない場合はあらかじめ視聴する動画を投票で決定し、事前視聴、感想と議論したいことを記入して当日議論をしました
こんな感じで2,3週間に1度くらいの頻度で会を開催していました
それぞれ具体的な流れを紹介します
事例の共有
アジェンダは以下の通りです
事前の準備として担当者がテーマに関する内容の発表準備を行います
- 予め決めておいたテーマに関しての発表
- 質疑応答(雑談含め)
- 発表者以外で感想記入
- 感想の共有と議論
- 次回の発表者決め
「雑談交えながら話したい」「発表中に合いの手が欲しい」、「喋りきってから話し掛けて欲しい」など、予め発表スタイルを発表者に決めてもらい進めるようにしました
内容に関しては、実際に案件で躓いたところや、こんな構成でやりました!どや!といった話など色々な発表がありました
余談ですが私の発表のときはGoogleSlideで発表資料を作ってブックマークレットでユーザーツールのコメントが流れるようにしてリアルタイムな参加感が出るかなと思って試してみましたが、自分自身が発表にいっぱいいっぱいになってしまいあまり拾いきれませんでした、残念
勉強会動画視聴後感想戦
アジェンダは以下の通りです
動画視聴を元に意見交換をするので全員対象の動画視聴準備が必要です
- 役割(議事録)決める
- 感想の共有
- 議論内容の星投票
- 議論(雑談あり)
- 次回の内容決め
事前に特定のData Engineering Studyの動画を視聴してメモや意見を残しておき、会議の中で感想や意見の共有をし、議論したいテーマを投票で選定、議論しました
お互いどんな意見を持っているのか、人となりをより知れる機会にしたいと思ったため、この共有会では具体的にアクションを決めることはあまりせず、議論中心で進めました
実際に話した内容
実際にどんな内容だったのかというのを簡単に紹介します
事例の共有
- 趣味のデータ収集と活用
BigQuery、dataflow、Pub/SubなどGCPのマネージドサービス、Dataformを活用して競馬予想の話をしてもらいました
特にDataformについては
- クエリの依存関係の可視化
- SQLのGitによるバージョン管理
- assertionによってデータ不備のチェック
などの機能があり、ちょうどこのあたりの課題感を持っていた参加メンバーがこの発表を聞いて「いいね!」と自身のユニットで本番導入まで進めてくれました
- 下記ブログで紹介しているデータ基盤の詳細の話をしてもらいました
勉強会動画視聴後感想戦
- Data Engineering Study #9「企業規模別に見る、データエンジニア組織の作り方」を視聴後感想戦
- アドウェイズではデータ活用を進めていくためにどういう組織体制にするのが理想なのか?
- データの品質とは?
- データ民主化をための仕組みについて
などの話をしました
- Data Engineering Study #4「データ分析基盤の障害対応事例LT祭り」を視聴後感想戦
- データリネージやっていこうよ!
- ポストモーテムの事例聞きたい!
- スプレッドシートとの付き合い方どうしていくのがよいのかな
などの話をしました
工夫したポイント
運営するにあたって工夫したことなどを紹介します
なんだそんなことかということばかりではありますが1つ1つ小さな事の積み重ねが大事だと思っています
自ディビジョン以外の方も参加
弊社でSRE的な活動をしているユニットでBigQueryやインフラ周りに詳しい方にも参加してもらいました
特に議論のときに、自ディビジョンから見えている視点と違った考え方や意見が聞けることもありとても勉強になりました
更にディビジョン以外の状況も知っているので「ここのユニットではこうだった」などの話も聞けました
録画+コンフルに議事録や会話ログを残す
都合上どうしても人数は制限する必要があると判断したので会での議論の会話ログや会の様子を録画して+議事録をコンフルにまとめて実施後ディビジョンのチャンネルで共有する運用にしました
議事録の輪番制
会の開始時に今日の議事録はメイン○○さんとサブ△△さんです、と前回議事録担当の人は除いてルーレットでランダムで議事録係になってもらいました
役割を決めないと毎度気を利かせてくれる人に任せっきりになってしまう or ファシリテーション役が議事録も書く
といった流れになりやすいと感じていたので明確にお願いするようにしてました
また、メイン、サブと2人選出することでメインの人が残しきれなかった部分や細かい表現の部分などを修正したりなどうまく補完しながら残せたかと思います
簡易なアンケートを毎度実施
会の最後に簡単なアンケートを用意して、より良い会の運営ができるよう務めました
最初は勢いで始めたところも多かったので至らない部分やもっとこうした方がいいなどの意見があれば積極的に取り入れて行こうと思っていました
議事録の輪番なども最初は実施しておらず、アンケートからの採用でした
アンケートから発表者へのFB
発表者へのFBもアンケートに含めていたのでいいFBがあれば後日発表者に直接FB内容として共有していました
発表するのはそれなりにリソースも使うので、ポジティブなFBがあれば積極的に共有して還元しようという取り組みです
振り返り結果
先日ちょうど一区切り付いたので、ふりかえりをしました
その時の内容を一部抜粋して紹介します
- 継続的に共通のテーマについて話す機会があるのはよかった
- 自ユニット以外でどんなことをやっているのかを知れる時間でよかった
- 業務で困ったときの壁打ち相手を探したりできた
- 在宅勤務が通常化する中で他ユニットと話す機会は貴重だった
- 会での発表からDataformよい!という感じになって実際に本番導入までされたのは事例としてよかった
- データ周りではなかったが、社内で新たにリリースされたシステムのアーキテクチャの共有会を実施する流れになって単発で共有会を開催できた
運営を通しての変化
運営をしてみて、個人的に嬉しかったことや良かったことは下記です
- 会を起点としてDataform本番導入
- SQLで迷ったところを投稿→こんなのどうですか?のようなやり取りが発生(timesみたいですね)
- BigQueryの新しい機能が共有されて話題になる
- 壁打ち相手をSlackで探したり、ユニット外のメンバー間の交流が増えた
- ユニット跨いで案件の共有機会を創出できた、またデータ周り以外でも気になるトピックについて「あれ聞きたいです」という声から派生して共有の機会を作ることができた
特に下2つについては、発足時の課題感の解消に寄与できたと思えるので継続して取り組めてよかったなと思っています
おわりに
ユニットを跨いだ案件や知見の共有会を実施することで、ディビジョン内での交流機会を創出、知見の共有ができたかなと思います
今後もこのような活動を行いながらディビジョン全体のパフォーマンスを上げていけるよう頑張っていきたいと思います