こんばんは、りょーまです。
私事ですが30になりました。
心はいつまでも少年です。
さて、今回は期待のマネジメントについて書きます。
マネージャーには必須のスキルではないでしょうか。
具体的にやり方も書いていくので気になる方は是非試してみてください。
期待マネジメントとは
目的や目標を達成するために、何をするべきか、どのように振る舞うべきか。
チームやプロジェクトの期待をすり合わせる行いを期待マネジメントと言います。
冒頭で期待マネジメントは必須と書きました。
その理由としては、チームの成立に大きく影響するからです。
チームは、「共通の目的を持ち、互いに協力し支え合う」事が出来て、初めてチームです。
期待のマネジメントを怠ると、チームは躓き、ただの集団化します。
チームが躓く最大の要因は期待と行動(結果)のギャップ
A「先日のリリース、バグ起こしちゃったね」
B「Cさんがテストしてくれていると思っていた」
C「え、そんなこといつ言ったっけ?Bさん担当じゃないの」
A「Bさんはステークホルダーとのレビュー準備で手が埋まってたよ」
B「そうだね(やばい、レビューはAさんだと思ってた。。)」
例えばこんな状況です。
それぞれの期待と行動が全く噛み合っていません。
ここでいうテストをしたしていないはあらゆる原因の一つにすぎず、問題の根本はチームの期待マネジメントが出来ていない事にあります。
要はテストをするようになっても、また違う問題が発生します。
こういう状況が続くと、チームの中での信頼関係がどんどん薄れます。
前向きな話が消え去り、要望すらしなくなり、チームは衰退の一途を辿るでしょう。
そんなの寂しいです。期待を合わせましょう。
期待が合うとどうなるのか
期待マネジメントがうまくいっているとき、チームには以下ような雰囲気や文化が生まれます。
気軽に頼れる
あの人の得意なこと、貢献したいことは◯◯だったな。
よし、これはお願いしてみよう!
何かをお願いして、断られるのって辛いですよね。
でも大丈夫。期待が合っているのでそのリスクが低いです。
得意なことで頼られて嫌な人は少ないでしょう(私は嬉しい)。
指摘できる
本当に強いチームは出来ていない事を出来ていないと言い合えると思います。
期待が合っているからです。
本人もチームメンバーもそうなる事を期待しているのであれば、その事柄に対して正面からFB出来ますよね。
働きやすい(心理的安全性)
自分のやりたいことはこれ
チームに求められていることはあれ
あの人はあれとこれがしたい
チームの透明性が一気に上がるので、見えない不安と戦う事が格段に減り、スッキリした気持ちで迷いなく働けるようになります。
対話しよう
どうすればいいのって話になるのですが、答えはシンプルです。
対話あるのみ。
よく行動で示すとも言いますが、その向き先がズレていたらもったいないです。
各々が思っている事、期待していることを必ずチームで集まって話しましょう。
ちなみに、マネージャーやリーダーが一方的に指示をするのは得策ではありません。押し付けられた期待ではチームは機能しません。
マネージャーは 共通認識を作れるチームの場を作ってあげましょう。
では、どのように対話をしていくのか。
有効的なプラクティスがあります。
ドラッカー風エクササイズ
「マネジメント」の発明者ピーター・ドラッカーの名に因んで生まれたワークです。
以下の五つの問いに答えてみましょう。
1.自分は何が得意なのか
2.自分はどうやって貢献するつもりか
3.自分が大切に思う価値はなにか
4.自分が、チームは自分にどのような貢献を期待していると思うか
5.チームは、あなた(自分)にどのような貢献を期待しているか
1~3は主に自己開示が目的です。
そして、特に重要なのが4と5の問いです。
これに応えることで期待をすり合わせることが出来ます。
具体的な流れ
a.アウトプットする場所を用意する(オンラインボードやwiki系のツール)
b.チームの人を集める(リモートならzoom等のテレビ電話)
c.ドラッカー風エクササイズの説明をする(目的、期待マネジメントの狙い)
d.それぞれの問い(1~5)に応えていく
e.チームの期待に理解/納得できたのかを確認する
こんな感じです。アレンジはご自由に。
だいたい1時間から2時間かかるでしょう。
実際にやってみた
以下の画像は実際に私の属するチームでやった内容です。
主にアジャイル(スクラム)の推進を期待されてることが分かりました。
私自身も技術での直接的な貢献よりも、アジャイルやマネジメントを武器としたチーム作りで貢献することを望んでいたため、期待と行動(しようとしていること)がバッチリと合った瞬間でした。
ポイント
実施する上でのポイントです。
素直に伝える
何が得意で何に貢献したいと思うかはあなたの自由です。
人間持ち味は全員違います。
バイアスに気をつける
今までやってきているから、あの人がこう言っていたから。
特に「相手に期待する事」に関しては本人の意見に引っ張られやすいです。
そうならないためにも、4と5の問いは同時に実施するといいと思います。
期待の内容が最適かは二の次
一回やって終わりではありません。
日常的に対話を繰り返しすことで、チームにとって適切な期待と行動が見えてきます。
まずは対話の場を作り、伝える事、認識を合わせる事自体を重要視しましょう。
普段から期待はマネジメントできる
ツールに頼らなくとも期待はマネジメントできます。
- 考えている事を聴くようにする(質問する)
- 思っている事を伝えるようにする
- 期待と行動が噛み合っているのかちゃんと振り返る
非常に勇気がいることではありますが、「私の動きどうかな?」「他に期待することってあるかな?」とFBを求めましょう。
普段の思考/行動から習慣化する事が大切です。
さいごに
当たり前のような事だけど、すごく難しい事なんですよね。
自身もマネジメントしていて何かうまくいかない時は大体期待が合っていなくて、その原因は単純に対話不足です。
ちなみに、デリゲーションポーカーというプラクティスを併用すると最強です。
これは権限と責任の範囲を対話を元に透明化するものです。
期待マネジメントにも繋がるので興味ある方は調べてみてください。