こんにちは!アドプラットフォーム事業でユニットマネージャーをしているsndyですb
ブログ投稿は結構久々ですが、普段プロダクト開発を行っているチームのマネジメントをやる傍、
スクラムマスターとして活動してます!
今回はスクラム未経験や少しかじった程度の初級者も含めてチームをスタートさせるタイミングだったので、
スクラム成熟度という指標を活用してチーム改善をしてみた話をしようと思います。
これから新しいチームでスクラムを始めたり、スクラムを導入してみたはよいものの、
上手くスクラムが出来ているのか分からないといった方は参考になるかもしれません!
ぜひ最後まで読んでいって下さい。
背景
今期から新しいPOをチームに迎え、新しいプロジェクトをスタートさせることになりました。
プロジェクトの立ち上げと新メンバーと、いかにもスタートアップみたいな感じですねw
今回新しく参加するメンバーがPO2人で、その2人のうち1人は全くスクラムに触れたことの無い
スクラム未経験者で、もう一人も軽くステークホルダーとして触れたくらいのスクラム初級者でした。
スクラムでPO2人と聞いて、おっと?と思われた方、鋭いですねw
スクラムでPO2人は一般的にアンチパターンとされているので、今回も波乱の幕開けという感じになりました。
その上で、スクラムの理解度という部分もこれからなので、さぁどうやっていけばよいかなと。悩みどころですね。
そこでまずは自分たちのチームでやっているスクラムを評価してスコア化しようと始まったのが 「スクラム成熟度」 です!
スクラム成熟度の紹介
「スクラム成熟度」
聞いたことある方も多いかもしれませんが、チームのスクラムを評価するための指標として有名な ryuzee さんが
元ネタを翻訳して下さっているものがあります。
簡単にいうと、POやスクラムマスター・開発者等のロール毎にスクラムをやる上で要求されることをレベル別に5段階で
分けて表にしてあるものです。
例えば、スクラムマスターのレベル1であれば、 「スクラムの本の通りに適用する方法を学んでいる」 ということがあり、
スクラムガイドやその他スクラムの参考書に則り、それに合わせてスクラムイベント等を実施出来ているかという
チェックポイントになります。
同じ項目のレベル2であれば、 「本のとおりにスクラムをやりつつ状況に応じて実験している」 という項目があり、
基本はスクラムガイドや参考書をベースにスクラムイベントなどを適用していくけれど、そのチームの状況によって、
アレンジを試してみているという感じですね。
レベル1よりもレベル2の方が難しいのがわかりますよね。
このようなスクラム成熟度をベースにチームでやっているスクラムのレベルを計測しながら課題発見に繋げました。
スクラム成熟度から見えた課題
スクラム成熟度を活用して見えてきた課題、それはやはりPO周りのレベルが周りと不釣り合いだったことです。
具体的には、
レベル1の
「要求の創出とプロダクトバックログ項目の作成に注力している」や、「ステークホルダーの望みをチームの具体的な作業項目に変換している」
レベル2の
「プロダクトバックログを所有し管理している」や、「スプリントゴールの作成とインクリメントの作成に注力している」など
他にもいくつかありますが、この辺りが課題として出てきました。
今回はPOが殆どスクラム未経験ということもあるので、当然と言えば当然ですよね。
ちなみに、開発チームやスクラムマスターについては、以前からスクラムを採用して実践していたこともあり、
部分的にレベル2が満たされていないこともありましたが、おおよそレベル3あたりのフィールドにいる感じでした!
取り組んだこと
新しいPOが参加されたタイミングで、どうしてもPO周りのスコアが低めの状態だったので、
ざっくりと知ってもらおうという事で、スクラム開発とは何か?という部分を講義形式で説明しました。
具体的には、スクラム3つの柱や5つの価値基準、各種イベントの目的やロールの説明、アジャイルとの関係性など
薄く広くという感じで説明を進めました。その後、説明を受けたPOに対してアンケート等で理解度の調査を行い、
おおよそ全体像は伝わった感じだったので、成熟度を上げるための下準備が一つ完了した感じでした。
このほかにも具体的にスクラムチームの中でのPOに期待する事などをまとめ、実際にPOの人と話しながら
認識を合わせていきました。特にスプリントを回す上で必要なスプリントゴールやプロダクトゴールの設定、バックログの管理周りを話し、
その他については実際にスプリントプランニングやスクラムイベントを行う中で経験学習的に少しづつアップデートしていきました。
また、直接スクラムとは関わらない部分ではあるものの、POが2人体制だった事もあり、お互いの役割について
しっくりきていない部分もあったので、このあたりはデリゲーションポーカーやスクラムマスターとの1on2等を実施し、
どのあたりに課題感を抱えているのか、ヒアリングしながら随時サポート出来るようにしました。
良かったこと
いくつかアプローチしてきた中で、よかった部分が何点かあったので、効果的なところを簡単に紹介します。
まずは、スクラムの基礎部分を伝えた事で、PO側から実際に今実施しているスクラムとのギャップや、
こんなことは今出来ていないからやった方が良いよね?というような意見が出てくるようになりました。
基礎が分かるからこそ、そことのギャップをベースに色々な意見・提案が出てきたという感じですね。
今回はたまたまスクラム未経験のPOということでしたが、しばらくスクラムをやっていてマンネリ化している
スクラムチームにも当てはまることだと思うので、なんかそれぞれ主体的にスクラムの改善や意見が
出てこないな〜と思っているスクラムマスターの方は、一度基本をおさらいするのも良いかもしれないですね!
あとは、PO2名との1on2で、POとしての振る舞いや、具体的に何を求められているのかが分からない等
その時悩んでいることを割と高頻度で聞けたので、それに応じたアプローチが出来たかなと思います。
そもそものバックログの管理責任ってどういうことだろう?とか、バックログを管理しているツールの使い方を
教えて欲しいとか、スプリントゴールの決めかた、その他諸々悩んでいるところを気付けたのは
スクラムマスターとして支援すべきところが絞れるのでよかったと思います!
改善点
上手くいくこともあれば、その逆もある。
ということで、あまり上手くいかなかったところもいくつかありました。
具体的にはデリゲーションポーカーを実施し、チームとの関わり方等をある程度整理していたのですが、
それがあるから動きやすかったという場面はそれほど多くなかったと思います。
もちろん、一部は活用されている場面もあり、全く役に立っていないということは無いですが、
デリゲーションポーカーをきっかけに積極的にチームと連携し合いながら、お互いの領域を把握した上での
越境をしていくみたいな動きには繋がらなかった印象です。
また、今回参考にさせて頂いたスクラム成熟度について、どうしても抽象度が高いこともあり、
チームにそのまま持って行ってチームで改善していこうというのは難しい部分もありました。
これってどういうことを指しているんでしたっけ?のようなのが多くなってなかなか認識が揃わないみたいな感じです。
この辺りは、しっかりとスクラム成熟度の要素を残しつつ、チームで見て一緒に改善を進められるような
簡易化・具体化のようなところも工夫していきたいと思っています。
まとめ(閉じ)
今回は主にスクラム初級者に向けて、チームにJOINするタイミングでどのような行動を取り、
それがどのような影響をもたらしたかということを紹介してきました。
各々自分たちで動けるのが理想的ではありますが、その動ける環境を作るのがスクラムマスターとして
とても重要なことだと思います。今回はその環境づくりという面でいくつかアクションしてみて、
よかったところも改善点もありつつ、確実に前進出来たので、同じ境遇だったり、これからどうしようなど、
悩まれている方の参考になれば幸いです。
また、今回はPO2人というイレギュラーではあったものの、1人であった場合も流用出来ると思うので、
ぜひ試してみてください。