チームビルディングを理論的に進める方法

こんばんは。りょーまです。

今期の振り返りなり来期の目標なりを考えるシーズンになってまいりました。
色々とやりたいことはあるのですが、必ず頭に浮かぶのがチームの存在です。
チームの状態さえ良好であれば、何でもできちゃうって思ってるタイプです。

そこで、今回はチームビルディングについて書いていこうと思います。

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チームってなんだろう

って考える事ってあんまり多くないですよね。
でも、大事な事です。

チームという存在は無数にあり、また最適を定義しづらいためか、「とりあえず複数人集まっていればチーム☆」みたいなノリがあると思います。

そもそもチームって何で必要なのか、どんな状態にあると良いのか。しっかりと自分やチームメンバーと認識を合わせておく必要があります。

※色々な表現や価値観があります。あくまでも個人的な見解です。

チームの目的

一人では実現し得ない困難な課題を解決するため

プロダクト開発は勿論の事、例えば建設業、音楽、スポーツ、医療や消防レスキューもそうですよね。
世の中に溢れている多くの課題は一人では解決することが出来ません。

チームの状態(理想)

共通の目的を持ち、互いに協力し支え合い、シナジーが発生している

じゃあ、とりあえず人を集めれば良いのかというとそうでもありません。それぞれの方向性がバラバラであったり、協力し合えなければ一人でやるよりも生産性は低くなります。
(B級パニック映画とかでよく見る光景。わかります?w)

チームや所属する組織によって細かい手段や考え方は違えど、チームに対する基本的な思想はこんなところかなって思ってます。


チーム作りは難しい

と、まあ物凄く当たり前の事書いてますし、きっと殆どの方は「まあそうだよね」って共感してくれていることでしょう。
では何故、世の中には良いチームがこんなにも少ないのでしょうか(完全なる主観ですが)

それは、チームの成立がそもそも難しいからです。
人という個人の意思で動くものの集まりである以上、皆がそれぞれ違う動きや考えを持ってしてしまうのは仕方のないことなんです。


何から始めるべきか

時と場合によって変わってきます。
なんか逃げ道的な発言ですが、これは紛れもない事実です。

大事なのはその時と場合を正しく捉えることだと思います。
チームは生き物なので、色々なフェーズが存在します。
それを正確に分析すればおのずととるべき手段が見えてきます。


チームのフェーズを正しく捉える

フェーズを分析/理解するために私が良く使っている理論を2つ紹介します。
どちらも非常に有名なモデルなので知っている方も多いと思います。

今のあなたのチームはどんな状態だろう?と考えてみてください。

組織の成功循環モデル

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マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱したモデルです。
組織の成功には4つのフェーズがあり、これらが上手く連動した時に理想の循環が生まれるというものです。

1.関係の質
2.思考の質
3.行動の質
4.結果の質

ここで説かれていことで特に大事なことは関係値を高めよということです。
逆説的に言えば結果から求めるなです。

結果を求めているチームほど、関係の質を強く意識してみてください。関係の質が高まることで、より多くの意見やアイディアが生まれ、それが具体的な行動に繋がり、最終的に結果に繋がります。

信頼関係(関係値)のない状態での要求は10倍くらいに味が薄まると思ったほうが良いです。
それくらいに人間は感情で動く生き物です。

(関係値が充分なチームはどんどん行動や結果を追求していってください)

関係値作りのためのプラクティス

説明は割愛します

  • ドラッカー風エクササイズ
  • ムービングモチベーター
  • kudo wall
  • 1on1
  • 朝礼(DS)
  • 一緒にご飯に行く

イノベーター理論

スタンフォード大学の社会学者、エベレット・M・ロジャース教授が提唱したもので、主にマーケティングに活用される理論です。

1.イノベーター(革新者):2.5%
2.アーリーアダプター(初期採用者):13.5%
3.アーリーマジョリティ(前期追随者):34%
4.レイトマジョリティ(後期追随者):34%
5.ラガード(遅滞者):16%

この理論は製品を購入する消費者を、購入時期とその割合にによって分類したものですが、これはチーム作りにも同様に当てはめることが出来ます(割合はさておき)

例えば、組織にスクラムを導入したい。そう思った時にどう動くべきかのヒントとなります。
10人のチームであった時に、いきなり10人が「よっしゃスクラム組もうぜ」とはなり辛いですよね。
まずはアーリーアダプター(少数の理解者) を作るところから始めましょう。 この時に気を付けるべきことはその選定です。
物事に懐疑的な人よりは、新しい事やチャレンジングなメンバーに声をかけるべきです。

アーリーアダプターが育つことで、10人中3人がその取り組みに肯定的になります。
「3人が言うなら」とあとは芋づる式です。

また、注意するべきは追随者を蔑ろにしないことです。
新しい取り組みに疑問を持てる存在はチームに必要なので、役割の違いくらいに考えましょう。

アーリーアダプターを作るためのプラクティス

説明は割愛します

  • 1on1
  • 読書会(勉強会)
  • 小さく一緒にやってみる
  • デリゲーション(権限を与え、重要な事を任せる)

まとめ

  • チームの存在目的は
    • 難易度の高い課題を解決すること
  • チームの理想状態は
    • 共通の目的を持ち協力し合うこと
  • チームの状態分析は
    • 組織の成功循環モデル
      • 結果の前にまずは関係値
  • イノベーター理論
    • 全員の前にまずは少数の理解者

さいごに

数年前はこういった理論とか何も知らずにただがむしゃらにマネジメントをしていました。
行動するのは勿論すごく大事なんですが、その行動効果を更に高めるためにもこういった学術的背景を知っておくことが大事だと思います。