プロダクトマネージャーカンファレンスにチームのみんなと参加してみた

こんばんは、りょーまです。
先日パパになったのですが、子供の行動たるやプロダクト開発の100倍くらい不確実性が高く学びの連続です。
FBを貰いようがないのが当面の課題です。

さて、今回は先日参加したプロダクトマネージャーカンファレンス2020についての記事です。

プロダクトマネージャーカンファレンスとは

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世の中に大きなインパクトを与えるプロダクトを作るためには、プロダクトマネジメントの存在が不可欠だと私たちは考えています。
日本においてプロダクトマネジメントがさらに普及・発展するには、企業や組織の壁を超えた情報共有や人材交流が必要です。
プロダクトマネージャーカンファレンスは、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨する場として2016年から回を重ねてきました。
日本から世界を席巻するプロダクトが次々と生まれること願って、本年もカンファレンスを開催いたします。
https://2020.pmconf.jp/

プロダクトマネジメントに精通する人がノウハウやナレッジを共有してくれる素晴らしい会です。
通常は大きめのホールでワイワイガヤガヤやっているのですが、今年はコロナの影響もありオンラインでの開催となりました。

参加目的

まず前提として、私は組織のアジャイルコーチを務めています。
アジャイルコーチの役割はその名の通り、アジャイルな開発/組織になるためのコーチングをする事です。
プロダクトマネジメントを理解することがアジャイルコーチングをするにあたって有意に働くと思い参加を決めました(実は今年で3回目)。

また、今年はタイトルにあるように共に働くメンバーにも声をかけ、計7名での参加になりました。
これには次のような狙いがあります。

圧倒的に学習効率が良い

みんなで共通の話を聞き、その場の空気感を味わい、多角的に解釈/課題化をすることができます。
この手のセミナー後は最終的に何かしらの行動に移し本質的な学びにしないと意味がないのですが、チームで参加するとそのスピードが段違いです。

一体感の創出

こういった少し特別なイベントに一緒に出ること自体に価値があります。
合宿で少しワクワクする感覚と似ていると思います。
気分転換にもなりますし、他社のレベルの高い話を一緒に聴くことでいい意味で共通の危機感を感じることもできます。

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セッションでの気づき

ここからは個人的に学びになったことをいくつか紹介します。

いま、PMに求められる本質的な力(エン・ジャパン-岡田 康豊さん)

いま、PMに求められる本質的な力 ~満足度No.1プロダクトを生む組織、3つの条件~ - Speaker Deck

本セッションではPMのスキルについて具体的に説明されていて非常に参考になりました。
PMには大きく分けて以下の二つのスキルが必要

  • テクニカルなスキル
  • 本質的な力(人間力とも表現されていました)

テクニカルなスキルに関してはHEXというフレームワークを開発し、戦略的にレベルアップができているとのこと。(こちらも活用してみたい!)
今回の主題は後者の本質的な力です。

組織には3つの条件が必要

なぜ本質的な力が必要なのか。
それはプロダクト開発をする組織には以下の3つが機能することが求められているから。

  • 抽象スキルの共通認識を持つ
  • 答えより、問いを重視する
  • Feedback loopを廻し続ける

抽象スキルの共通認識

いわゆる人間力に当たる部分。
Kats Modelを例にあげ、PM(上位レイヤー)が必要とされる人間力の割合はテクニカルスキルに比べ重要性が増すとのこと。
プロダクトを創るのは「人」や「チーム」だから、彼らといかに一体感を持って動けるかが重要になってきます。

以下のように人間力なる曖昧な存在をとてもわかりやすくフレームワークとして定義されていました。

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https://corp.en-japan.com/company/success/iw_csa.pdf

答えより問い

「上司の頭の中の正解を探りに行っていませんか」
上司が答えを持っているほどプロダクトマネジメントは甘い世界ではないよ。

この問いかけは考えさせられました。
プロダクトマネジメントに限らず、チームの意思決定の場においてこのような場面を見聞きすることがあります。
また探らせてしまっている当事者になることもあるなと。。
これって「分からないこと」とか「失敗すること」に対して不安なく動ける環境を我々マネージャーやリーダーが作れていないからなんですよね(反省)。

Feedback loop

daily reportという仕組みで毎日気づきをアウトプットし、メンバー同士がフィードバックし合っているそうです。
これは純粋にとても良い文化。

顧客のburning needsを解決しPMFを達成する(Autify-近澤 良さん)

顧客のBurning needsを解決しPMFを達成する - Speaker Deck
続いては何とも目を引くタイトル。
バーニングニーズってなんかかっこいいですよね(稚拙)。
本セッションではプロダクト開発のリアルな進め方を紹介されてました。

Burning needsとは

その名のとおり 火がついていて、いますぐ消さないとマズイ というような課題を指します。
本当に売れるモノ、必要とされるものはこのような緊急性の高い課題があるかどうかが重要とのことです。
言い換えれば、「まぁ、あったら良いかもね」「できたら教えてよ」レベルのモノは売れないよ(使われないよ)とおっしゃっていました。

開発プロセス

大きく以下の三つに分かれています。

  • 仮説フェーズ
  • 検証フェーズ
  • 製品開発フェーズ

このようなフェーズ分け自体は私のチームでも採用しているのですが、2点ほどその中身で参考になるところがありました。

解決策は現在の10倍良い方法

こういう思想が振り切っていてすごいなと。
最大の理想系を考えることでアイデアの幅を広げ、本当に顧客に喜ばれるモノ(言い換えるとBurning needs)の創造に繋がるってことなのだと解釈しました。
確かに、計画段階から実現性を意識しすぎて必要以上に小さく守りに出てしまう癖はあります。
MVP開発の「minimum」に悪い方向で囚われてることがあるなと気づかされた瞬間でした。

確度の高い検証方法は実際に売る事

これまたド直球です。
要はそれが良いか悪いかは 自分たちには分からないので顧客に問え と。 売れたらいいモノ、売れなきゃ使えないモノ(極端に言えば)。
Autifyは実際に開発前に売れたみたいです。そう、Burning needsを捕らえていたから。
ニーズをしっかりと掴むのは勿論のこと、「本当に利用価値があるか」とイメージを沸かせることが大事なんだと思います。
その手段としてワイヤーフレームだったりプロトタイプが必要になってくるのかと。

セミナー温泉に気をつけよう

紹介していないセッションもどれも素晴らしいものばかりでした。
有意義なカンファレンスだった。
ただ、気をつけなければならないことがあります。

良いプレゼンだったなー、あの人の言うことには感銘したなー、うちでも同じようなことあるよなー、あー楽しかった、もう眠い。
この状態をセミナー温泉と勝手に名称づけています。
セミナーって発表者様が皆有能故、本当に説明がわかりやすいですし、未来に希望を持てるような話し方をして下さるのでついつい気持ち良くなりがちです(それ自体は良いことなんですが)。

大事なのはこれからで、いかに行動に移せるかです。
ブログ投稿日の関係上内容は記載できないのですが、近日共有会(行動計画会)を実施します。
ここからが勝負。

さいごに

プロダクトマネージャーとかプロダクトオーナーとか、プロダクトを引っ張る存在は必要だと思います。
ただ、一人でやることでも、できることでもないと思います。
プロダクトマネジメントそのものはチームでやれば良い。
大事なのはその中での役割分担や連携の度合いを日々探り、調整し、チームとしてのアウトプット(アウトカム)の最大化を図ること。
っていうことをPMが声を上げコントロールしていくのってめちゃめちゃしんどいはずです。
それをサポートするのが我々アジャイルコーチないしスクラムマスターの役割。

今回のイベントをきっかけに私たちのチームのプロダクトマネジメントに変革を起こしていきたいなと本気で思ってます。
それでは。