はじめに
こんにちは!!
クラウドエンジニアの大窄直樹(おおさこ)です.
今年も花吹雪舞う季節になり, 春の訪れを感じるこの頃ですね!
2021年度最初のブログということで張り切って執筆させていただきます.
今回のブログでは, Reserved Instance (RI)の後継である, Savings Plan (SP) について紹介します.
Reserved Instance(RI)とは?
RIはEC2の割引オプションです.
またRIは, Standard RIとConvertible RIの二種類に分けることができます.
Standard RIは, 下記の6項目を指定して購入することでオンデマンド料金と比べて最大72%OFFでEC2インスタンスを利用することができます.
- 期間 (1年 or 3年)
- Region
- Instance Family
- Instance Type
- Tenancy
- OS
とてもお得なStandard RIですが, クラウドの利点である柔軟性が損なわれてしまうのが特徴です.
そこで, 柔軟性を上げ, 割引率を下げた(最大66%)ものがConvertible RIです.
Convertible RIは購入時に指定する項目はStandard RIと同様ですが,
購入後でもInstance Family, Instance Type, OS, Tenancyを手動で変更することが可能なのが特徴です.
Savings Plan(SP)とは?
Standard RIに比べて, 柔軟性が上がったConvertible RIでもやはりいくつかの束縛がありクラウドの利点である柔軟性が損なわれます.
そこで, 柔軟性を残したまま割引できるオプションがSPです.
SPはEC2 Instance SPとCompute SPの二種類に分けることができます.
EC2 Instance SPは, 下記の3項目の指定して購入することでオンデマンド料金と比べて最大72%OFFでEC2インスタンスを利用することができます.
- 期間 (1年 or 3年)
- Region
- Instance Family
- 1時間あたりの利用料
RIで購入するインスタンス利用料を, 1時間あたりの利用量に入れることで実質RIと同等の割引を受けることができます.
また割引方法が, EC2の利用額でのコミットなので, 煩雑な契約に伴う運用も不要になり, 割引の恩恵を受けやすくなりました.
例えば, 本番インスタンスを減らした際でも自動的に開発環境のインスタンスから割引かれますし, もしEC2の価格改定があった場合でもSPならその恩恵を受けることができます.
柔軟性があり, Standard RIと割引率が同等なのが EC2 Instance SPの特徴です.
Savings Planがすごいのはここからです.
EC2 Instance SPから, Region, Instance Family, さらにEC2という縛りをなくした割引オプションが Compute SPです!!!
Compute SPは下記の2項目の指定のみで購入することができ, 割引率も最大66%です.
- 期間 (1年 or 3年)
- 1時間あたりの利用料
さらに, EC2という縛りをなくし, AWSのCompute Serviceにもこのオプションが付けられます.
つまり, Lambda, ECS, EKSにも適用することができます.
割引率もConvertible RIと同等の割引率 (最大 66%)です.
RI にあって SPにない機能
RIにはあったが, SPでなくなった機能がないのかと心配される方もいるのではないかと思います.
実はRIにあったキャパシティ予約がSPではできなくなっています.
しかし, EC2の機能のオンデマンドキャパシティ予約で代用可能なので, キャパシティ予約ができなくなったのではなく, RIのキャパシティ予約ができなくなっただけなので安心してください.
SP, RIの仕様をまとめ
RI, SPの仕様をまとめたのが下記です.
最後に
クラウドらしい柔軟性, 割引率, 購入時の手間何をとっても RI << SPです.
したがってこのブログを最後まで読んだ方は, RIの導入という言葉を聞くとこのブログのタイトルを言いたくなるはずです.
そう, Reserved Instance使うなんて言うのやめてもらっていいですか, 今の時代はSavings Planですよ!! と(笑)
