ちょっとLifeHuck ~ ハノイへ行こう!(その1)

 えー、Xin chào!新年明けましておめでとうございます! 
 ここに寄稿するのは初めての、おのでらと申します。新年一発目で恐縮ですね…。緊張で手に汗を書いているのですが、ブログでは伝わりませんね。残念です。
 
 このブロクでは、テクニカルな話題は弊社の優秀なエンジニアがよく寄せていますので、僕はここにちょっと変わった話題をみなさんに提供しようと思います。

 現在携わっているプロジェクトの関係上、僕はベトナムハノイへ出張することが度々あります。せっかくですので、今後同じようにハノイに向かう人のために、ハノイまでの行き方をハックしようとおもいます。もしハノイへ行くことがあったら参考にしてくださいね!


 さて、今回はその前段です。ベトナムハノイ)の基礎知識をまとめてみました。心の準備とかに少しは役立つかな。読み物として読んでくれても嬉しいです。

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渡越準備:ベトナム基礎知識

 皆さん、ベトナムという国はご存知ですね。東南アジアに位置する細長い国で、ベトナムの人は自分たちの国の形をよくS字に喩えています。首都はハノイ、人口およそ9000万人、ベトナム語公用語で、また54の民族からなる多民族国家でもあります。
 
正確な日本名はベトナム社会主義共和国共産国家なのですが、実際行ってみるとそんな雰囲気はあまりなく(※1)、1986年からのドイモイ政策による市場経済開放への方針転換が成功してるのでしょう、街は活気にあふれ海外資本の広告もたくさんあります。特に近年はインフラ、IT分野において著しい成長が見られるようです。実際、いたるところで大きなビルが建設中です。

 日本とベトナムの歴史的な関係は案外古く、古代には阿倍仲麻呂が(唐朝の官吏として)ハノイに赴任しています。昨年は、両国は国交40周年を迎え、また、
日本のODAや建設会社が関わるノイバイ空港の国際線ターミナル落成やノイバイ-ハノイにかかるニャッタン橋開通がありました。TPP参加国同士でもあり、今後も両国間の関係性はさらに高まるのではないでしょうか。

 とまぁ、ざっと説明しましたが、詳しくはWikipediaを読んでもらうとして、さっそくベトナムハノイ)の基本情報を紹介していきましょう。
 
※1: ちょっと僕ぐらいの昭和の人間だと、共産国家と聞くと少し重く暗いイメージが伴うのです。なんせそういうふうに教えられて来ましたからね。ある種の西側プロパガンダだったのかしらん。


■  通貨

 ベトナムはドン(VND)が通貨です。
僕が渡越した11月23日の時点ではおよそ1ドン0.0062円でした。この逆数(1÷0.0062≒161)、つまり1円何ドンかを覚えておくと、スマホの電卓でちょちょいと何円くらいかを計算できるので便利です。例えば、10,000ドン は、10,000÷161≒62円、といった具合です。
 
 日本人からしてみると扱う桁が多いので、最初は混乱するでしょう。現地では千の桁以上の数字でやりとりする場合がほとんどでので、桁区切りで整理できるようになれば心配はないです。(※2)
 
※2: 流通しているお札の最小単位は100ドン札らしいですが、僕は見たことありません。この間スーパーでのお釣りで初めて500ドン札を見ました。きっと皆さんにとっては1,000ドン札が手元の最小単位になるでしょうし、またほとんどの品物が1,000ドン以上です。硬貨もあるらしいのですが、…これも見たことないです。

ベトナムドン
【写真1 通貨: 左から右周りで、スーパーのドリアン、各種ドン紙幣、電気店での72inchTV。紙幣は10,000ドン以上はポリマー紙幣。それ以下のお札は紙で、だいぶくたびれたのが多い。桁が多いので、電気屋で売っている78inchTVが約2億ドン…!



■  言語

 空港やホテルなら英語も通じますし、観光地でもカタコトの英語でなんとかなるので、そんな心配しなくても大丈夫でしょう。僕は現地で買い物するときは、iPhoneの電卓を見せながら ”How much?” とお店の人に尋ね、値段をタイプしてもらってやりとりしました。こんな買い物の仕方ができます…そう、iPhoneならね(※3)

 ベトナム語は日本ではあまり馴染みが無いですよね。表記はアルファベット主体で、発声は独特のリズムがあります。僕は“カタカタで話すベトナム語 How to” みたいなのをネットや本で見かけ実践してみましたが、残念ならがほとんど通じませんでした!(笑) ベトナム語声調と呼ばれる母音の種類が6種類あり、当然現地の人はみなそれを区別して聞き、話します。同じ“オ”でも6通りの意味を持つので、僕には…区別して発音することができませんでした。

 とはいえ、あきらめたらそこで試合終了です! 良いコミュニケーションのために、挨拶(“チャオ!”)やお礼(“がムーン!”)など簡単な言葉を覚えて、スマイルを心がければ問題ありません! 大切なのは心です、そして、いつも笑顔を忘れず!(←雑)
 
※3: Androidでもできるでしょう。


ハノイの古刹
【写真2 市内の古刹: 市内にはたくさんの寺院(寺院跡)や城門跡があり、それらの門や額など漢文が彫られています。日本人の我々にとっては文の意味を追えたりすると興味深く眺められるのですが、当のハノイの人たちはもはや漢字は読めません。模様の一部と化しています。文化の遍歴の断片が街中に散らばってるようで、ちょっとした歴史浪漫を感じられます



■  物価
 
 安いです! 日本での価格の1/3~1/2ぐらいといったところでしょうか。例えば、だいたいの値段ですが、ペットボトル(400ml)の清涼飲料(※4)は10,000ドン(前述レートで62円くらい、以下同じ)、輸入タバコが25,000ドン(155円)、ハノイビールが350ml缶で9,000ドン(56円)、タクシーの初乗りが12,500ドン(78円)、お米が(やや割高のジャポニカ米2kgで)90,000ドン(560円)、屋台の牛肉フォー1杯30,000ドン(186円)、チャーハンセットが50,0000ドン(311円)、散髪が60,000ドン(373円)、喫茶店でベトナムコーヒー・ミルク入り(※5)が25,000ドン(96円)、といった感じです。

 外国人をターゲットとしたホテルのレストランやラウンジ、空港や旧市街などのお土産屋は、割とお高めの値段設定です。また、日本料理屋、特に大使館近辺の日本人向けのお店は、日本と同じくらいの値段設定のところが多いですね。
 
※4: もちろんペットボトルのお茶もあるのですが、まずほとんど砂糖入り。 無糖のものはレアものですね。僕の滞在したホテルは日本人向けだったので、その売店でかろうじてありました。
※5: ベトナムのコーヒーは、ミルクと言えばコンデンスミルクを入れたものになります。われわれが普段飲んでいるアラビカ種ではなくロブスタ種という苦みが強い種のコーヒー豆が主流なのも理由でしょうか。コンデンスミルク入りは飲み慣れると調度良い甘さ。しかし、あまり溶けないので、カップの底によく溜まる…。

ハノイ物価
【写真3 物価: 左上より時計回りで、スーパーのお米コーナー、屋台のメニュー、スーパーの野菜売り場、日本ラーメン店のオススメメニュー。お米は3種類(インディカ米、もち米、ジャポニカ米)が流通しています。おこわやちまき料理もよく食されているのでもち米は大事。野菜はキロ単位で売ってます。玉子入り13万ドンだと、\800くらい。結構高めの料理になります。】









■  食べ物

 ベトナム料理といえばまずはフォーですね。本場のフォーは美味しいですよ!
 フォーはいくつかある麺の1種類で、フォー以外の麺料理が多いです。辛いものはなく、肉料理と揚げものまた多い、という印象です。街中のいたるところに小さな食堂があり、歩道や道の小脇に設置されたテーブルで食べる風景をよく見かけます。日本と違って、家庭料理や定食をレストランで提供する、という考えが無いらしく、白いご飯を外で食べるとしたら苦労するかもしれません(※6)
 肉を多く食べる国民で、また数多くのハーブを日常的に料理と一緒に食しています。家庭料理は一汁三菜(スープ、肉または魚料理、野菜料理、漬物などしょっぱいもの)が基本だそうで、それら料理にたれ(マム)をつけてながら、白いごはんをいただいます。
 
 ベトナムの料理を一言でいうと、たれ(マム)の文化のように思えます。我々がお寿司や餃子に醤油やタレをちょっとつけて食べるように、様々な料理にマッチするたれを合わせて食べています。この“つけだれ”としての基本に、ヌクマム(※7)、そしてチャンと呼ばれる柑橘類(※8)を使い、ヌクマムと鷹の爪とニンニク、またチャンと塩胡椒、といったように組み合わせながらも使います。またこのチャンですが、料理に直接絞って、風味付けとしても使います。程よい甘酸っぱさが味のアクセントになったりと、このチャン、ほんといい仕事をしますね。

 なお、市内、特に日本大使館の周辺にはラーメン屋も多いです。一番美味しいかったのは、ボーイングっていう名前のとんこつラーメン屋さんでしたね。ちょっと高めの値段設定でしたが(写真3)、意外と本格的で、美味し!
 
※6: ベトナムの友人曰く、「だって家で食べれるものをわざわざお店で食べる必要ないじゃないですか」と。
※7: ヌクマム(Nước mắm)は日本でいうところの魚醤(しょっつる)とか。僕はしょっつるは味わったことがまだないです。ヌクマムは癖のある風味ですが、慣れるとすごく美味しい! もう少し知りたい方は、『美味しんぼ』11巻の香港味勝負とかを読んでくださいな。
※8: チャン(Chanh)は、見た目はスダチそのもので、スダチよりも酸っぱくないです。ちなみにこのチャンで作ったジュースもまた美味しい!

ベトナム料理
【写真4-1 ベトナム料理: 左上から時計回りに、僕のお気に入りのホテルの隣の屋台の鶏のモツのフォー、ベトナムの家庭料理、鍋焼き料理の一種のチャーカ、屋台のサンドイッチ屋。チャーカは、エビを発酵させた“マム・トン”というすごく濃いタレにつけて食べる。フランス文化の影響でパン食も非常に盛んで、フランスパンにパテや玉子焼きを使ったサンドイッチ屋もよくある。】


ハノイの市場の様子

【写真4-2 ハノイの市場の様子: 街のいたるところに小さな市場がある。肉、魚、野菜など、様々な食材を手に入れられるが、最近は市場での食の安全に関する問題がよく取り上げられるという。ちなみに市場全体がドライブスルー!】

ベトナム・フード
【写真4-3 ベトナム料理とランチタイム: 左上から時計回りに、ベトナムスイーツのチェー、フルーツ、スーパーでのフルーツコーナー、干牛肉の大皿料理、お昼の通りの様子、ブン・ドゥ・マン・トン。チェーは、千切りの求肥やゼリーがコンデンスミルクと絡めてある。季節にもよるが南国だけあって様々なフルーツが安価で食べられる。お昼時には歩道がレストラン化。ブン・ドゥ・マン・トムのドゥとは(揚げ)豆腐のことで、ヌクマムやマン・トンで太めの米麺(ブン)と食べる。】





■  タクシー
 
 外国人の我々にとっては、タクシー利用が基本的な移動手段になると思います。料金は安いです。30km超の空港〜ハノイ市内で400,000ドン(2500円くらい)前後。空港から市内への最初の移動にも使うでしょう。
 注意点が2つあります。まず料金は1,000ドン単位だということ。タクシーメータも千単位ですが”123.0” のように少数第一位に常に0の百の位があるので、これは無視して整数値だけを見ます。123.0なら123,000ドンということです。メーター小数点とお札の桁区切りを合わせます。
 もう1つが、白タクやぼったくりタクシー、レシートを出してくれないタクシー会社などがあるので、信頼できるタクシー会社を使うこと。僕は現地の人と一緒に乗らない場合は、TAXI GROUP(タクシーグループ)のタクシーか、MAILINH(マイリン)タクシーを乗るようにしています(※9)

 精算ですが、細かい釣り銭(数千ドン)は払わない場合もあるし、逆に端数をオマケしてくれる場合もあります。また、逆にあまり大きいお金の場合、運転手さんが釣り札の持ちあわせが無い(=釣りを払わない)というトラブルになることもあるので、ある程度の細かいお金を持っていたほうがいいでしょう(※10)。可能であれば、泊まるホテルに手配してもらう、というのも良いかもしれません。
 市内を歩いていると、バイクのオッサンに”TAXI?”と声を掛けられますが、これはバイクタクシーです。僕は使いませんけどね。怖いし危ないし。

※9: ホーチミンだとTAXI GROUPは少ないらしいですね。この2つ以外もちゃんとしたタクシー会社はありますが、僕が全部は覚えきれないので、覚えやすくて判別しやすいこの2つを使っています。偽装したニセモノもまであるのでこれまた注意で。ちなみに、わりとUberを使っている人が周りにいました。
※10: 100,000ドン札が何枚かあれば大丈夫じゃないかなと。例えば空港から市内までは420,000ドンだとしたら、100,000ドン札5枚で払えれば、お釣りは問題なくもらえるでしょう。ちなみに、僕は初めてベトナムに行った時、タクシー絡みで僕は2つ失敗をしました。この話は別な機会に… 

タクシー【写真5 タクシー: 上から、TAXI GROUPのタクシー、MYLINHタクシー、メーター。分かりやすい色だから覚えやすい。メータは、54.0 なら、54,000ドンということ。】

■  交通事情
 
 タクシーの話が出ましたので、併せてベトナムの交通事情を。
 まずバイク、そしてバイク、バイク、バイク、バイク。圧倒的なバイクの量です。そして2人乗り、3人乗りは当たり前、軽くカルチャーショックのジャブを受けるでしょう。ハノイ市内のバイクの量、特にラッシュ時のバイクの量は圧巻です。
 そして前述したとおりタクシーが移動の基本ですが、このタクシー、日本のタクシー運転を想像しないでいただきたい! 初めて乗った時には「これは…スタンド攻撃を受けているっ…!!(ゴゴゴゴゴ…」と、思ったくらい緊張しました。なんせかなりアグレッシヴで、かなりテクニカルな運転を、結構なスピードでかまします。強烈なカルチャーのボディーブローです。バイクもバイクでスレスレで横をすり抜け、タクシーも負けじとクラクションとパッシングで応戦しながら進みます。慣れれば楽しいドライブですけどね♪(※11)
 バスはあまり乗ることも無いと思いますが、ハノイ市内だと一律料金7,000ドンです。乗車後に車掌さんに払う感います。むっちゃ混んでいるバスでも、車掌さんは人並みをかき分けて徴収しにきます。バスも当然ながら、運転はクレイジーです。市内だとバスが一番オラオラ運転です。(※12)
 
※11: 乗り物酔いし易い人は、長距離移動に備えて酔い止めを持っていくことをオススメします。
※12: サンドラ・ブロックはこんな感じで運転したんじゃないかなぁ、って思ったりしました。

ハノイ 交通事情
【写真6 ハノイの交通事情: 左上から時計回りに、タクシー越しにみた運転の様子、バイク二人乗り、帰宅ラッシュ、タクシーとバス、混雑したバス内の様子、信号待ちの様子、アーケードを進むバイク。ベトナムではバイクは生活必需品で、細い道もスイスイ進んで行きます。なんでも運びます。また、最初の1枚のように、余裕で横切って行きます。ベトナムの唯一絶対の交通ルールは「ぶつからない事」のような気がします。バスの中には車掌さんがいてどんなに混んでいても彼から切符を買います。】



■  トイレ

 空港、そしてハノイ市内にいる分にはあまり気にしなくていいかもしれません。トイレ自体、店によっては年季の入ったものもありましたが、僕は不便しませんでした。旧市街などの(建物の)古いお店などでは、箱に汚物を入れたりする方式もあるらしいので、その場合は終了手続きに注意を(※13)
 また、トイレに、シャワー(ホースとシャワーヘッド)がついているパターンを良く見かけますが、僕はこれが未だに何か、どう使うのかよく分かりません…。多分、使わなくて済みます。
 
※13: ちなみに、ハノイ駅のトイレは、いわゆるニーハオ・トイレでした!

■  その他

 ハノイでの滞在中に治安に関して心配したことはありませんでした
(※14)。きっと危険なところに行かない限り危険な目に合わないと思います。ただ、外国人向けの料金で変に高いものを買わされたり、タクシーのトラブルに巻き込まれないようには注意しましょう。
 また、ハノイはまだ少ないと聞きますが、スリやひったくりの話は時々聞くので、いずれにせよ用心深くするに越したことはありません。ウィークエンドの旧市街などはごった返すのでなおさら注意ですね。ベトナムに限った話ではありませんが。
 なお、午後10時になると店は殆どのお店は閉店しはじめ、11時には街がとても暗くなります。どこもお店はやっていません。なので買い物や観光は、早い時間に済ませておきましょう。
 
※14: 僕が6尺ちょっとの大きなオッサンだからかもしれません。ベトナムは小柄な人が多いです。

§ § §

 だいたいの予備知識としてまとめようと思いましたが、あの魅力やこの良い所も、と推敲しているうちに文量が増えてしまいましたね。メンゴメンゴ!
 どうでしょうか、少しはベトナムの様子と魅力が伝わったでしょうかね!?

 ではまた次回!
 次は具体的なフローを展開します。