気づいたらチームのエンジニアが自分1人だった新卒の話

こんにちは!ADWAYS DEEE でアプリケーションエンジニアをしている25卒の日置です!

前回のブログ「Claude Code を相棒にした新卒エンジニアが、次は AI エージェントに挑戦してみた話」を書いてから半年近くが経ち、こうしてまた執筆の機会をいただきました。気づけば社会人になってから1年が経過し、いつのまにか「新卒2年目」と呼ばれる立場になっていることに、時の流れの速さを実感しています。

今回は技術的な内容から少し離れて、私が入社してから1年と少しの間で経験した、ちょっと変わったお話を書いていこうと思います。テーマは 「プロダクトチームでエンジニアが新卒1人で開発を回した話」。あるプロダクトチームの中で、ある時期を境にエンジニアが自分1人だけという状況に直面した経験について、振り返ってみたいと思います。

【背景】 配属から半年で変化したチーム体制

まずは時系列で、私がいるチームの体制がどう変化していったのかをご紹介します。

2025年7月、新卒研修を経て私は社内のプロダクトチームの1つに配属されました。当初のチーム構成は エンジニア3人、PdM1人、デザイナー2人の計6人。新卒1年目の私としては、先輩エンジニアが2人もいて、何かあればすぐに相談できる心強い環境でのスタートでした。

ところが、2025年11月にチーム編成が変わり、エンジニアが1人減って5人体制に。さらに2025年12月にはもう1人のエンジニアも別のチームへと移ることになり、気づけばプロダクトチームのエンジニアは 私1人だけ という状態になっていました。

エンジニア(私) + PdM + デザイナー2人 = 計4人

ここから約2ヶ月の間、私はプロダクトチームのエンジニアとして、たった1人で開発を回していくことになります。

【プロダクト】 そもそも何をやっているチームなのか

私のチームでは Amazon Bedrock を活用した 社内向けの AI エージェント開発 に取り組んでいます。

技術スタックや AI エージェント自体の話については、前回のブログ「Claude Code を相棒にした新卒エンジニアが、次は AI エージェントに挑戦してみた話」で詳しく書いていますので、興味のある方はぜひそちらを読んでみてください。

ざっくり一言で言うと、AI エージェントを業務フローに組み込んで社内業務の効率化を進めるプロダクトです。AI エージェント開発は世の中的にもまだ模索段階の分野で、後述するように普通のプロダクト開発とは違う面白さや難しさがあります。

【苦労】 1人で開発を回すうえで意識したこと

エンジニアが1人になって、まず実感したのは 「自分の手が止まるとプロダクト開発も止まる」 というシンプルな事実でした。

複数人で開発しているときは、自分が何かに詰まっていても他のエンジニアがタスクを進めてくれるので、チーム全体の進捗としてはそこまで落ちません。けれど1人になると、自分が悩んでいる時間 = プロダクトの開発が止まっている時間になります。スプリントレビューも、レビューに向けた準備も、論点整理も、当然1人で組み立てなければいけません。

そこで一番意識していたのは、「自分にボールがある期間を極力短くする」 ことです。

具体的には、以下のようなことを徹底していました。

  • 設計や仕様で少しでも悩んだら、抱え込まずに PdM やステークホルダーにすぐ確認する
  • 自分1人で判断しきれない論点は、なるべく早めに明文化して外に投げる
  • 「あとで聞こう」ではなく「今聞こう」を意識する

複数人体制のときは、まずは別のエンジニアに相談して方向性を固めてから PdM に投げる、というステップを踏んでいました。しかし1人になるとそれができません。だからこそ、自分の手元でボールを温めるのではなく、早めに外に出すことが結果としてスプリント全体の生産性につながったと感じています。

それでも、もちろん全てがうまくいったわけではありません。1人で実装している関係上、どうしても開発速度の絶対値は落ちますし、スプリントレビューまでに当初予定していた機能が間に合わないこともありました。そんな時は「ここまでは進みました、残りは次スプリントでカバーします」と素直に共有し、淡々と次に向かう、ということを繰り返していました。

【発見】 1人だからこそ感じた良かったこと

苦労の話ばかりになってしまいましたが、エンジニアが1人だからこそ良かったな、と感じた部分もたくさんあります。

コミュニケーションコストが大きく減った

複数人体制では、設計や実装方針を揃えるためのすり合わせコストがどうしても発生します。良くも悪くも、1人開発になるとそのコストがほぼゼロです。設計から実装まで一気通貫で自分の中で決められるので、コンテキストスイッチも少なく、思っていた以上に開発そのものに集中できました。

もちろん複数人で開発するメリットは非常に大きいので、これは「1人開発の方が良い」という話ではなく、「コミュニケーションコストの削減効果は想像以上だった」という発見の話です。

AI を相棒にすることで補える部分が大きかった

1人開発になってから、Claude (Claude Code) の活用にもより本気で向き合うようになりました。コードレビューを気軽に頼める相手がいない以上、まずは自分自身でしっかりレビューしないといけませんが、その「もう1人の目線」を補ってくれる存在として AI が非常に頼りになりました。

じゃあ具体的にどう活用していたのか という話については、次回のブログでじっくり書いていく予定です。ここではあえて深入りせず、お楽しみにしておいてください!

AI エージェント開発はゴールが明確じゃない、という気づき

これは1人で開発を回す中で改めて実感したことなのですが、AI エージェント開発は、いわゆる普通のプロダクト開発とは少し性質が違います。

普通のプロダクト開発であれば「この画面でこのボタンを押したら、こうなる」という挙動が明確に決まっていて、それを実装すれば完了、というのが基本です。

一方で AI エージェントは 同じ入力でも出力が毎回変わる のが前提です。エージェントが自律的に動くため、「ここまで作れば完成」というラインがそもそも引きにくく、評価軸も「期待した挙動になっているか」という、ある種曖昧な部分が出てきます。

1人で腰を据えて開発を回す時間が長かったからこそ、この「ゴールが明確じゃない」という AI エージェント開発の性質と、じっくり向き合うことができたのは結果的にいい経験になりました。

【支え】 1人だけど、決して孤立してはいなかった

「エンジニア1人で開発を回した」と書くと、まるで完全に孤独で戦っていたように聞こえてしまうかもしれませんが、実際にはまったくそんなことはありませんでした。

社内には他チームのシニアエンジニアの方々がいらっしゃって、「困ったら遠慮なく言ってね」と日頃から声をかけてくださっていました。実際に詰まったときには、設計の壁打ち相手になっていただいたり、コードを見ていただいたりと、何度も助けていただきました。

プロダクトチームのエンジニアは私1人だけれど、会社全体で見ればたくさんの先輩エンジニアが後ろに控えてくれている。

そう感じられたことは、1人開発を続けていくうえで本当に心強かったです。チーム単位での「1人」と、会社単位での「1人」はまったく別物なのだなと、改めて実感した期間でもありました。

【ご褒美】 MVPベストルーキー賞をいただきました

少し嬉しいご報告も書かせてください。

アドウェイズグループ全社1000人以上の社員のうち、入社から1年半未満の社員(中途入社含む)約100人の中から選ばれる 「MVPベストルーキー賞」 をいただくことができました!

正直、エンジニア1人で開発を回している期間中は、毎スプリント手探りで進めていた感覚しかなく、「これで合っているのかな」と不安になることも少なくありませんでした。だからこそ、こうして1つの形で評価をいただけたことは本当に嬉しく、エンジニア1人でプロダクトチームのサイクルを回し切った経験が結果として認められたようで、自分の中でも大きな節目になりました。

もちろんこれは、同じチームの PdM・デザイナーの皆さん、そしてサポートしてくださった他チームのエンジニアの方々がいてくださったからこその受賞です。改めて、本当にありがとうございました。

【まとめ】 そしてチームは再び6人へ

2026年2月、私のチームには新たにエンジニアが2名加わりました。再び エンジニア3人、PdM1人、デザイナー2人の6人体制 に戻りました。

1人開発の期間を経て改めて感じるのは、「同じ目線で議論できるエンジニア仲間がいることのありがたさ」です。設計の壁打ち、コードレビュー、何気ない雑談から生まれるアイデア…1人ではどうしても得にくかった部分が、チームに戻ってくることで一気に取り戻されていく感覚がありました。

それと同時に、エンジニア1人で開発を回した経験は、自分にとって大きな財産になったとも感じています。

  • ボールを自分の手元に抱え込まずに、早く外に出していく習慣
  • 設計から実装、レビューまでを1人称で最後まで完結させるスキル
  • AI を相棒にすることで、生産性を引き上げていく工夫
  • 「困ったときには頼れる人が会社の中にちゃんといる」という安心感

このどれもが、複数人体制に戻った今のチームでも確実に活きていると感じています。

次回のブログでは、入社してから1年と少しの間で私が どんなふうに Claude を相棒にしてきたのか について、具体的な活用例を交えながら書いていく予定です。お楽しみに!

最後までご覧いただきありがとうございました!