Claude CodeプラグインでAI駆動開発を組織の共有知に ─ 組織で育てるClaude Codeプラグインマーケットプレイス

こんにちは、ADWAYS DEEE技術改善ディビジョンのGMをしている岡村です。

皆さんはAIコーディングエージェントを使っていますか?
弊社アドテク・技術改善では自分を含めたテクニカルマネージャー陣が先行してClaude Codeの検証を進め、2025年夏の終わりにはClaude Codeの全エンジニア導入を決めました。

今回は、Claude Code の「プラグイン」機能を活用して、AI開発の知見を組織全体で共有できる仕組み ── プラグインマーケットプレイスを構築した話をお伝えします。

きっかけ:個別の知見が共有知になりづらい問題

Claude Codeの活用を進めるにつれ顕在化してきたのが、設定やカスタマイズの知見が活用を進めている個人や狭い範囲に閉じてしまうという課題でした。

  • カスタムコマンドやフック、各種メモリファイルを共有・展開する仕組みがない
    • 個人単位・リポジトリ単位での設定
  • ツール自体の進化が非常に速く、サブエージェントやスキルなどの新機能・変更された機能を一部で導入・検証しても、広く展開するのが難しい
  • 結果として各個人やリポジトリで設定やワークフローが独自に成長し、共有知になりづらい

これらの課題は組織として何か解決策を考えなければいけないと思っていました。
そして2025年10月上旬、とうとうプラグインおよびマーケットプレイス機能がリリースされます。

Claude Codeプラグインとは

Claude Codeのプラグインは、Claude Codeを拡張するための再利用可能なパッケージです。チーム全体やコミュニティと共有でき、以下のような機能を含めることができます。

コンポーネント 説明
コマンド スラッシュコマンド(/plugin-name:command
最近の更新でスキルと一体化しましたが分けて置きます
カスタムサブエージェント 特定タスク向けの専門的なサブエージェント
エージェントスキル 特定領域の専門知識を提供するパッケージ
Hooks Claude Codeのライフサイクルイベントに応答するハンドラ
MCPサーバー 外部ツール・サービスとの統合
LSPサーバー 各言語用のLSPサーバー設定

プラグインの基本構造は以下のようになっています。

my-plugin/
├── .claude-plugin/
│   └── plugin.json          # マニフェスト(必須)
├── commands/                # スラッシュコマンド
│   └── review.md
├── agents/                  # カスタムサブエージェント
├── skills/                  # エージェントスキル
│   └── code-review/
│       └── SKILL.md
├── hooks/                   # Hookイベントハンドラ
│   └── hooks.json
└── .mcp.json               # MCP サーバー設定

最小限の plugin.json はこれだけです。

{
  "name": "my-plugin",
  "description": "プラグインの説明",
  "version": "1.0.0"
}

プラグインについての詳細やリファレンスについては、公式ドキュメントを参照してください。

プラグインの更新

インストール済みのプラグインは、Claude Code内で /plugin コマンドを実行してインタラクティブに更新するか、シェルからCLIコマンドで更新できます。

# シェルからプラグインを更新
claude plugin update plugin-name@marketplace-name

# シェルからマーケットプレイスを更新
claude plugin marketplace update marketplace-name

CLIコマンドの詳細は公式リファレンスを参照してください。

この仕組みを使えば、様々な設定・ワークフローをパッケージ化して簡単に組織全体に展開できます。

社内プラグインマーケットプレイスの構築

Claude Codeの更新情報は毎日チェックしていたため、機能がリリースされてすぐに気づくことができました。
「これを使えば、設定の展開や更新の管理が組織レベルで可能になるはず!」と感じたため、すぐに社内マーケットプレイスの構築に着手しました。
正直言ってマーケットプレイスの構築は難しいものではなく、ローカルでのテストはただディレクトリを適切な構成で作成するだけ。公開もそれをGithubリポジトリにするだけで完了します。
発表から10日ほどでマーケットプレイスの構築と、Go言語開発の共通プラグインを作成して組織に展開しました。

現在は公式ドキュメントもかなり充実していますし、Anthropicの公式マーケットプレイスも公開されているので参考にすれば苦労することもなさそうです。

マーケットプレイスの構造

社内マーケットプレイスは、先述した通りGithubリポジトリとして構築しています。

claude-code-plugins/
├── .claude-plugin/
│   └── marketplace.json     # マーケットプレイスカタログ
└── plugins/
    ├── adtech-go/           # Go開発支援プラグイン
    ├── ...
    └── ...

チームメンバーは例えば以下のコマンドでマーケットプレイスを追加し、プラグインをインストールできます。

# マーケットプレイスを追加
/plugin marketplace add https://github.com/repo_org/claude-code-plugins

# プラグインをインストール
/plugin install develop-go@adways-plugins

実際の開発では、各リポジトリの.claude/settings.jsonで、

  "extraKnownMarketplaces": {
    "adways-plugins": {
      "source": {
        "source": "github",
        "repo": "repo_org/claude-code-plugins"
      }
    }
  },
  "enabledPlugins": {
    "develop-go@adways-plugins": true
  }

のように設定することで、自動的にマーケットプレース・プラグインが有効化されるようにしています。 (更新の際は、 --scope projectで手動更新が必要)

組織への展開後

マーケットプレイスの展開後、複数のチームでプラグインを作成してチームごとのClaude Codeを使った開発プロセスの共通化・改善に取り組んでくれています。

一例を挙げると、

  • チームでのブランチ作成やPR準備などのプロセス共通化
  • 過去に作成したTerraformのガイドラインに基づいてレビューし、問題点をGithubのIssue化する
  • Notionで管理されるタスクを取得し、マークダウンとして保存する(後にSDDなどで利用される)

などです。

自分が展開したGo言語のプラグインについても、あまりフィードバックはありませんが利用はしてもらえているようです……

結論として「少なくともチームレベルでの知見の共有・展開」はかなり進んだと考えています。
また嬉しい副次効果として、プラグインをきっかけに各チームやメンバーのClaude Code活用の模索や検証がさらに活発になっているのを感じています。
まだまだ組織全体での共有知化という意味では伸び代が大きい状態ですが、今後もチームで育てた設定やワークフローを組織に広げていく動きを推進していきます。

利用状況の把握

現時点では、利用状況を定量的に計測する方法を見つけられていません。GitHubのクローン数など取得できる数値も存在しますが、それ単体ではあまり意味のある分析ができそうにないのと過去14日分程度しか見られないため、継続的な計測や活用は難しい状況です。

今後、各メンバー・チームにアンケートを取るなどして、フィードバックを集めていきたいと考えています。

今後の展望

言語・ドメインごとのプラグイン整理

まだまだ知見が散らばっている状態です。今後は以下のような整理を進め、プラグイン化を奨めていきたいと考えています。

  • 言語ごと(Go、Scala、TypeScript)
  • ドメインごと(インフラ、フロントエンド、バックエンド)
  • ツールごと(ecspresso, lambroll など)

AI-DLCのプラグイン化

現在我々の組織では、AWSが提唱するAI-DLCへの適応を進め、開発生産性を大幅に向上させるための取り組みに力を入れています。

AI-DLCは、AIが体系的に詳細な作業計画を作成し、人間が重要な意思決定を行う「AI Powered Execution with Human Oversight」を基本とする新しいメンタルモデルを元にしています。AIのポテンシャルを最大限発揮できるように再構築された完全に新しい開発プロセスのライフサイクルです。
AWSのソリューションアーキテクトによる紹介スライドがこちらになります。

仕様駆動開発(SDD / OpenSpecSpec KitKiroなど)だけでなく、より上流の要件定義・ストーリーライティングからオペレーションの領域まで、一貫してAIを前提とした新しい開発プロセス・ワークフローを定義していきます。
そのためにも組織における開発プロセス・ワークフローの共通化や再利用性が重要になってきます。
マーケットプレイスで展開されたClaude Codeプラグインを活用することで、プロセスの改善・刷新・展開サイクルを素早く回し、組織全体の生産性にインパクトを与えていきます。

公式プラグインの活用促進

実は、Anthropicが提供する公式プラグインが多くあることもあまり知られていないかもしれません。

# 公式プラグインを探す
/plugin
# → 「Discover」タブから閲覧可能

LSP サポート(Go, Python, TypeScript, Rust など)や、GitHub/Slack/Notion との連携など、便利なプラグインが揃っています。 現在個別でMCPサーバーを利用しているものも多いですが、これらの活用を社内でも促進していきたいです。

まとめ

Claude Codeのプラグイン機能を活用して、社内マーケットプレイスを構築した話をお伝えしました。

  • プラグインにより、Claude Codeの設定やスキルを再利用可能なパッケージとして共有できる
  • 社内マーケットプレイスを構築することで、AI開発の知見を組織全体の共有知にできる
  • まだまだ発展途上だが、今後 AI-DLCのプラグイン化などを通じて、組織全体のAI活用を加速させたい

Claude Codeをすでに使っている方は、ぜひプラグイン機能を試してみてください。/plugin コマンドで公式プラグインを探索するところから始めるのがおすすめです。

組織でAI活用を進めていくには、個人の知識や経験を共有知にしていく仕組みが重要です。この記事が、皆さんの組織でのAI活用の参考になれば幸いです。