チームの取り組みに価値があるか?を判断するために「MVPキャンバス」を使ってみた

Adways Advent Calendar 2019 4日目の記事です。

http://blog.engineer.adways.net/entry/advent_calendar_2019


 

お疲れさまです!まっちゃんです!
結局前の記事でコート出すとか言いつつ、なんだかんだで厚手のジャケットで済んでしまって結局コートどうしようと悩んでいます。
今日は過去に取り組みの記事を書きましたが、その前提のお話を書こうと思います。

背景

ちょいちょい記事に書いていますが、私はテックリードとしてチームの開発文化や技術挑戦、改善などの取り組みを行っています。
まだ見習いなので毎週マネージャーから指導を受けているのですが、その際に「仮説があるのか?」「取り組むことによって価値があるのか?」「少ない労力で価値を出せるのか?」と言われ続けています。

一方同じ組織内でもビジネスやデザインの領域では既にMVPキャンバスを用いて「案件に取り組むことで価値があるか?」という事を行っております。

そこでこれらを組み合わせてひらめきました。
チームの技術的な取り組みでもMVPキャンバスを使って価値があるか判断ができそうだと。

MVPキャンバスとは?

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ここでは簡単に書きます。(アドウェイズエンジニアブログ内で書いてくださる方を募集)
リーン・スタートアップや仮説検証などのワードと一緒に出てくる印象があります。

MVPを達成するために、必要な情報をまとめたものが「MVPキャンバス」ですね

MVP(Minimum Viable Product)

  • 製品を提供する上で必要最小限の機能のみをもつ
  • 顧客価値があり、利益を生み出せる最小限のもの

と言われています。
マネージャーが言う「少ない労力で価値を出せるのか?」と同義だと思っています。

MVPキャンバス

仮説を検証する前に下記項目を埋めます

  • 仮説
    • 実施することについての仮説を立てる
  • 何を学ぶのか?
    • 仮説を通して考えられる学び
  • 仮説をどうやって検証するのか
    • どのように仮説を検証するのか
  • 実証に必要なデータ・条件
    • 仮説に必要な条件を定義
  • 何を作るのか
    • 仮説を実現するために作るものは何か
  • イメージ
    • 仮説を実現するために作るもののイメージ
  • MVP構築に必要なコスト
    • 人、モノ、金
  • 実証に必要な時間
    • どれくらいで仮説の結果を出すのか
  • 回避できる/発生するリスク
    • リスクを洗い出す

実施後は実際の結果と学びを記載します。

  • 結果
    • 仮説・検証の結果
  • 得た学び
    • 仮説・検証、その結果を通して学んだ事
    • 次の仮説

実際にやってみる

実際にチームの取り組みを例として書いてみます。
過去にエンジニアブログで取り組みについて書いた記事があるのでそれをもとに書いてみます。

取り組んだ事例

1. 開発内容を小さくレビューサイクルを早め、結果開発スピードを早めるブランチ戦略を考えて取り組んでみた

11月頭に上げた記事です。

blog.engineer.adways.net

MVPキャンバスの画像
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仮説
  • レビューサイクルを早めることで、開発スピードを早めることができるのか?
結果
  • 小さくレビューサイクルを回すことによって、認識の差異が無くなり結果早くなる
  • 合計すると指摘数は多い
次の仮説例
  • 対面レビューを通して認識が合わせることによって、開発のスピードは上がるのか?
  • モブレビューを通して認識が合わせることによって、開発のスピードは上がるのか?

2. チーム内にフォーマットツールを入れてみて早3ヶ月が立った

11月末に上げた記事です。

blog.engineer.adways.net

MVPキャンバスの画像
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仮説
  • フォーマットツールを入れることにより、レビューでの必須な指摘を減らすことができるのか?
結果
  • Scala は自動でフォーマットをかけるので減らすことができた
  • Perl は手動でフォーマットをかけているので指摘を減らすことができていない
次の仮説例
  • Perl の自動フォーマットをかけることでレビューの必須な指摘を減らすことができるのか?

まとめと今後

良い感じに仮説が検証できたものもあれば、できなかったものもあります。
仮説で大事なことは、正解なんてわからないので複数仮説を出すこと。
MVPで大事なことは、小さく価値を出せるかということ。

個人的にはアジャイルと同じで計画〜ふりかえりのサイクルを繰り返すことが大事だと思っています。
仮説やMVPも同じく、仮説〜MVP達成のサイクルを繰り返すことで本当に価値があったのか、無かったのかを判断するべきだと思います。

そのため、結果を出すためスピーディに取り組むことも重要です。 早く失敗をすることで失敗に気づきます。
その失敗から得た学びを改善や別の仮説を立てれればOKです。

引き続きチームで仮説やMVPキャンバスを通して素早いサイクルを回し、価値がある施策を文化にしていきたいと思います。


 

次はぬまちゃんさんの記事です。

http://blog.engineer.adways.net/entry/advent_calendar_2019/05